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議会報告 政治・経済

真っ当な憲法議論に欠かせないもの2018/03/17    

一昨日(3月15日)、自民党は憲法改正推進本部で、懸案となっている9条改正について協議したようですが、結局、意見が分れて結論は先送りされた模様です。

もめにもめている自民党の9条改正案は、概ね次の3つに分類されるものと思われます。
……
①第9条第2項を削除する案
②第9条第2項維持して「自衛隊」を明記する案
③第9条第2項維持して「自衛権」を明記する案
…の3つです。

①が本来の自民党の改正草案であり、原理主義者の石破さんがこれを主張しています。

とはいえ、これでは党内がまとまらないのでしょう。

②については、明記されることになる「自衛隊」が、果たして現在の「自衛隊」と同じものなのか、それとも異なるものなのか?

異なるとしたら、どの部分が異なるのか?…ということを法律で決めなければなりません。

憲法で設置された国家機関としての自衛隊と、自衛隊法で設置された国家機関としての現在の自衛隊とは、名称が同じであっても概念定義が異なります。

仮に「憲法機関としての自衛隊は法律機関としての自衛隊と同じである」と法律に定めたとしても、憲法機関の自衛隊を法律で定めた防衛省の下部組織のままにすることになりますので憲法違反の疑いがでてきます。

なぜなら、法律設置機関の防衛省が憲法設置機関の自衛隊を統制することになるからです。

これを可能にするには、少なくとも憲法上において法律の委任が必要だと思います。

また、やがて「2項でForcesを禁止しながら、加憲してSelf Defense Forcesを認めるというのは矛盾じゃないかぁ~」などの意見が出てきて、Self Defense Forcesと単なるForcesとをどのように区別するのか、という新たな不毛な論争が生まれそうです。

③の場合は、自衛権と交戦権との関係をどのように解釈するか、という極めて戦後的な論争に終始することになるでしょう。

そもそも「交戦権は戦いを交える権利だ」という誤解がありますが、憲法にある「交戦権」は誤訳で、ただしくは「交戦資格」です。

憲法で自ら交戦資格の放棄を謳っている国は我が国だけで、しかも「交戦権は、これを認めない」って、いったい誰が認めないのか?

結構これって恐ろしい話しなのですが、その理由は今度また別の機会に…

詰まるところ③は、自衛権を認めるとなると、結果的には第2項の後段を削除したことと同じなのではないでしょうか。

さて、結論からすると、①②③のいずれかで決着したとしても、おそらくは国民投票で否決されることになるでしょう。

そうなると「自衛隊も自衛権も違憲!」という結果になります。

「・・・」事は深刻です。

自民党を含め、今の日本における憲法議論には何か根本的なものが欠如しているように思えてなりません。

真っ当な憲法議論には、少なくとも次の2点に対する理解が絶対的に必要だと思います。

(1)立憲主義とは何か
(2)英米法と大陸法の違い