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議会報告 川崎市政

いたずらに財政危機を煽るのは止めろ!2018/03/10    

某川崎市議によれば「減債基金を取り崩さなければ予算を組めない川崎市の財政は極めて不健全であり、直ちに“財政危機宣言”を発令べきだ」とのことです。

てっきり冗談で言ってるのかと思ったら、そうではないようです。

減債基金は将来の借金返済のために積み立てている基金です。

川崎市はここ数年、その基金の一部を取り崩して予算を編成しています。

取り崩してはいますが、年によっては計上するだけで全く手を付けないこともあります。

しかも、毎年の市債償還額が必ず市債発行額を上回るように編成しているため、その分、市債発行残高(返済すべき借金残高)は着実に減り続けています。

現に2005年以降、川崎市は715億円の市債発行残高を減らしました。

返済すべき借金の残高が減り続けているのですから、多少そのための基金が取り崩されたところで、それのいったい何が問題なのか私にはよく理解できません。

いつも言うように「行財政は家計簿とは違う」のですから…

因みに、715億円の借金が返済された、ということは同時に715億円分の市内GDP(市民の所得)が失われた、ということになりますので、むしろそのことのほうが問題です。

それに、インフラ整備のための投資的経費を削ってまで単年度収支を黒字化し、それによって市債残高を縮小させていることはもっと問題です。

市民はデフレで苦しんでいるのですから…

なので某川崎市議は二重に間違っていることになります。

ご承知のとおり本市は、革新市政による“都市計画ゼロ”時代が長く続いたため、東京や横浜に比べて圧倒的に都市インフラが遅れています。

一方ここ数年、武蔵小杉などの人口増効果での税収増はあるものの、長引くデフレ不況で市内GDPが低迷しているため全体としての税収の伸び率はそれほど高くありません。

そうした中で、大いなるインフラの遅れを取り戻さなければならない川崎市は、それなりの投資的経費を確保することが求められています。

未来への投資である投資的経費を削っていること自体が、むしろ「将来へのツケ」であって、減債基金からの取り崩しなど然したる問題ではありません。

どうしても「減債基金の取り崩し」が気に食わないのであれば、その必要がなくなるようにインフラ整備や市内GDP拡大にむけた経済財政運営を講じていくべきです。

それは、歳出に歳入を合わせるための「拡大均衡」策です。

ところが某川崎市議をはじめとする“減債基金取り崩し反対派”は、歳入に歳出を合わせることで収支を一致させようとします。

つまり彼ら彼女らが言っているのは、いわゆる財政収支の「縮小均衡」策です。

残念ながら「縮小均衡」策は、結果的に市内GDPを縮小させることになりますので、かえって税収を減らします。

税収が減るとまた、彼ら彼女らは更なる「縮小均衡」策を主張することになるでしょう。

これではインフラどころか、福祉、教育、環境、消防など、様々な行政サービスが縮小していく一方です。

市民の皆さまはそれを望むのでしょうか?

さて、下のグラフは、総務省が発表した政令指定都市の財政力指数です。(財政力指数は「1」が最も良く、「0」が最もダメ)

川崎市の財政力指数はまさに「1」で、政令指定都市の中でダントツで1位です。

ただしこれは決してえばることのできる話しではなく、どんなに自治体としての財政力があったとしても、インフラや各種の行政サービスが他都市以下の水準であれば意味がありません。

例えばお隣の横浜市は、川崎市と違ってインフラ投資などの投資的経費をきちんと確保しつつも、その財政力指数は投資的経費を減らし続けている川崎市と比べ、それほど差がないのですから。

次いで、政令指定都市の実質公債比率のグラフです。

実質公債比率は、財政規模に対する地方債の元利償還金の比率のことで、その自治体の資金繰りの程度を表します。

上のグラフのとおり、実質公債比率においても、川崎市は横浜市に比べて投資的経費が少ないせいなのか半分以下の水準です。

そりゃぁ、そうでしょう。

毎年度の投資的経費を減らし、市債残高を縮小しているのですから。

次いで経常収支比率ですが、これは毎年度経常的に収入される財源のうち、毎年度経常的に支出さ れる経常経費(人件費、扶助費、公債費)が占める割合です。

グラフをみると、これだけは政令指定都市の中で川崎市は多少高めですが、これは分子の経常経費が多いというより、むしろ分母の一般財源収入が少ないとみるべきではないでしょうか。

以上、3つのグラフのとおり、各政令指定都市の主要な財政指標をみる限り、もしも川崎市が“財政危機宣言”をしなければならない自治体であるとしたなら、日本全国に財政危機を宣言しなければならない自治体が存在することになるでしょう。

ひょうっとして某川崎市議は「いや、減債基金からの取り崩しで予算編成している川崎市だけが財政危機なのだ」とでも言いたいのでしょうか。

…よく解りません。