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議会報告 政治・経済

デフレ脱却 vs 財務省の省是2018/03/04    

おそらく再任されるであろう黒田日銀総裁が、国会で所信の表明と質疑を行い「物価2%目標実現に向けた総仕上げに全力を尽くす」と述べられました。

『物価2%「総仕上げ」に全力、必要なら追加緩和=黒田日銀総裁
https://jp.reuters.com/article/boj-price-target-idJPKCN1GE0KZ

日銀の黒田東彦総裁は2日、政府による次期日銀総裁の再任案が国会に提示されたことを受け、衆院議院運営委員会で所信の表明と質疑を行い、再任された場合は「物価2%目標実現に向けた総仕上げに全力を尽くす」と強調した。(後略)』

物価(インフレ率)が思うように上がっていないのですから、明らかに日本経済はデフレ状態です。

政府はデフレ状態にあることを否定しますが、黒田日銀総裁は「物価2%目標実現に向けた総仕上げに全力を尽くす」と言っているのですから、日本銀行は暗に認めていることになります。

主流派経済学は、「生産された付加価値はすべて需要される」という“セイの法則”を前提にしているため、「需給バランスは常に均衡している」と考えます。

なので、物価が上昇しないのは「たんにおカネ(通貨)の量が足りないからだ」という結論に至ります。

ここで重要なのはおカネ(通貨)の定義です。

黒田日銀総裁が「場合によっては追加緩和を…」と言っているように、日銀が金融緩和(量的緩和)を行うと、確かに“通貨”の量が増えます。

しかし、ここでいう“通貨”の定義は「日銀当座預金」(民間金融機関が日銀にもっている預金)です。

上のグラフのとおり、アベノミクス以降の量的緩和によって、日銀当座預金という“通貨”は確かに飛躍的に増えました。

昨年末で368兆円にまで達しています。

しかし残念ながら、どんなに日銀当座預金という“通貨”を増やしたところで物価は上がらない。

そのことは日銀による量的緩和と、政府による緊縮財政(歳出抑制)とが同時並行で行われてきたことによって、既に証明されています。

要するに、デフレとは需要不足(=供給過剰)であり、どんなに日銀当座預金というおカネ(通貨)を増やしたところで需要不足は解消され得ない。

需要不足が解消されれば、即ちデフレが解消されれば、自ずと物価は上昇していきます。

つまり、今求められているおカネ(通貨)は、不足している需要を埋めるためのおカネ(通貨)であって、日銀当座預金ではありません。

デフレ期において、需要不足(内需不足)を埋めることのできる経済主体は政府(行政)以外になく、成長を牽引すべき“企業”という経済主体が投資・消費という需要を拡大できるのは「デフレが解消される見込み」がたった時です。

不足している需要を埋めるためのおカネ(通貨)とは、要するに政府による“財政出動”のことです。

ですが、財務省は絶対にそれ(財政出動)を認めることはないでしょう。

緊縮財政は、国民生活を犠牲にしてでも守らねばならない“財務省の省是”ですので。

しかしながら、どんなに日銀だけが頑張ってもデフレは絶対に解消されません。

おそらく「金融緩和だけじゃ物価は上げられないし、デフレも脱却できないよ!」というのが黒田さんの本音ではないでしょうか。

ここで改めて…

どうしてデフレ(需要不足)はダメなのか?

需要とは「消費」「投資」のことで…
「消費」の不足 現代の人々の貧困化
「投資」の不足 将来の人々の貧困化
…だからです。