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議会報告 川崎市政

介護分野の給与水準2018/03/02    

川崎市議会では、第一回定例会が開会中です。

過日の施政方針演説で市長は「介護人材の確保策として、外国人労働者の受け入れ・定着に向けた支援を実施したい」と述べました。

……まこと、慨嘆するほかありません。

生産年齢人口比率が低下していく我が国においては、福祉分野に限らずあらゆる分野において人手不足が深刻化していきます。

今や、若年層失業率はOECD加盟国で最も低い水準になっています。

しかしながら、その人手不足を、外国人労働者(低賃金労働者)の受け入れや定着ではなく、国民一人当たりの生産性を向上させることで克服したとき、我が国は再び高度経済成長を成し遂げることが可能となります。

一人当たりの生産性が向上することを経済成長と言い、その経済成長こそが実質賃金の上昇をもたらすことになります。

実質賃金が上がらない限り、日本国民が豊かさを実感することはあり得ません。

因みに、実質賃金を上昇させるためには、株主資本主義によって引き下げられ続けてきた「労働分配率」を再び引き上げることも必要です。

既に一部のスーパーやお寿司のチェーン店などでは、外国人労働者の受け入れではなく、設備投資や技術開発による生産性の向上が図られています。

とはいえ、医療や介護の分野については、その仕事の性質上、機械化、無人化、省力化などによる生産性の向上(人手不足の解消)を早急に望むことは困難です。

ゆえに医療や介護の分野については、効果的な他の政策手法が必要です。

それを川崎市長は「外国人労働者でぇ~」と言っていますが、残念ながら現場の実情をよく理解されておられないのだと思います。

昨年のことですが、規制緩和で儲けたい人たち、いわゆるレントシーカーたちの目論見どおりに『外国人技能実習制度』が規制緩和され、それまでは認められていなかった介護分野においても“外国人技能実習生”を受け入れられるようになりました。

ところが…

なんと介護分野に応募した外国人技能実習生はゼロでした。

このことは、介護の現場がいかに過酷な労働環境と化しているのかの証左です。

そこで改めて、介護分野と産業平均の給与水準を比較してみます。

ご覧のとおり、福祉施設介護員に至っては、産業平均(きまって支給する現金給与額)よりも10万円も少ない状況です。

断っておきますが、けっして産業平均が高すぎるわけではありません。

20年にも及ぶデフレ経済によって、産業平均すらも低い水準にあると認識すべきです。

何日か前のブログでもお示ししたように、もしも1998年に我が国経済がデフレに突入していなければ、下のグラフのとおり、今ごろのGDPは現在の約3倍になっていたわけですから。

上がっていない産業平均と比べてもなお、介護分野における給与水準は低くなっていると分析すべきです。

よって、介護分野に外国人労働者を受け入れる前に、まずは当該分野の給与水準を産業平均以上に引き上げることが先決であると考えます。

ありていに言えば、介護分野に就職した若者が、マイホームやマイカーを数年で購入できる日本にしなければならないと思うのです。

その財源は?

むろん、破綻リスクの極めて低い中央政府による歳出拡大です。

同時にそれは、立派なデフレ対策にもなります。