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議会報告 川崎市政

借金を知るということは…2018/02/23    

昨日(2月22日)、市内のとある会合で、同席していた川崎市議会議員の一人が「川崎市には借金があるぅ~」と言って、借金の存在そのものを問題視していました。

この種の無責任な言葉が、市民にあらぬ誤解を与えます。

現に、それを聞かされた市民のお一人が「川崎市は、そんなに借金で大変なのかぁ~」とつぶやいておられました。

慌てて私は「いえ、そんなことはないですよ!」と某議員の発言を打ち消し、川崎市の財政力と、行政がもつ負債の意味について説明をさせて頂きましたら、その市民の方は「なんだ、そんなことだったのか」と言って誤解を解かれ、概ね理解してくださいました。

ばつが悪くなった某議員は、何事もなかったかのようにその場から去っていきました。

こうした手合いは典型的な「家計簿脳」なわけですが、概ね次の三つに関する認識不足が特徴です。
……
①家計がもつ負債と行政のもつ負債との違い
②誰かの負債は必ず誰かの資産であること
③経済成長の源泉は借金であること

まず、家計や個人の場合には予算制約式というものがあります。

即ち、個人(人間)には寿命があるため、生涯に稼ぐことのできる所得の範囲でしか債務を負えず、しかも原則的には借り換えは不可能です。

一方、行政は永続する法人であることから予算制約式は当てはまらず、個人や家計のような債務の制約はありません。(これをゴーイングゴンサーンといいます)

であるがために、行政がもつ負債の多くは借り換えが可能です。

因みに、日本政府(中央政府)の場合、毎年100兆円もの負債が借り換えされています。

そして川崎市においても、市債償還の半分近くが借り換えです。

次いで理解しなければならないのは、誰かの負債は必ず誰かの資産である、という事実です。

この世には負債だけを一方的に増やすことのできるヒトや組織は存在しません。

たとえ全知全能の神様でも不可能です。

誰かが負債を増やせば、その一方で必ず誰かしらの資産が増えることになります。

現在の川崎市の負債残高を単純に市民の数で割ると、一人あたり70万円になります。

これをもって「市民一人あたり70万円もの借金がぁ~」と叫ぶ人たちもおりますが、こういうのをお○○さんと言います。

地方債を引き受けているのは主として民間銀行です。(川崎市は外国から借金をしているわけではありません)

その民間銀行におカネを預けているのは主として国民(市民)です。

要するに市民は民間銀行の債権者です。

即ち、市民一人あたり70万円の「借金」ではなく「債権」なのです。

因みに、各政令指定都市の地方債残高をグラフ化すると次のとおりです。

ご覧のとおり、横浜市は2兆円を超える地方債残高(負債)を抱えています。

ですが、だからといって横浜市がデフォルト(債務不履行)する可能性はほぼゼロでしょう。

370万人もの人口を抱える都市のインフラを整備更新するには、相応の投資が継続的に必要です。

そのための起債ですから、政令市最大の経済規模をもつ横浜市が相応の負債を抱えて当然なわけです。

もしも借金そのものを「悪だ」としてしまうと、それこそ政令市最大を誇る横浜市のインフラは存在しません。

さて、最も重要な点は、資本主義経済においては借金こそが経済成長の源泉である、という事実です。

借金を原資にして投資がなされることで一人あたりの生産性の向上が図られます。

そして、一人あたりの生産性向上のことを「経済成長」といいます。

なので、借金や負債の本質を理解できなければ経済成長の意味をも理解できない、と言っても過言ではありません。

要するに、借金を知るということは、通貨を知るということであり、通貨を知るということは経済を知るということになります。

そして「その逆もまた真なり」です。

結局、前述の議員のような「借金」に対する無理解が行政の緊縮財政を助長し、投資と経済成長を妨げ、市民の所得と税収を引き下げています。

そして所得と税収が下がるとまた「借金がぁ~」と騒ぎ立てては行政に緊縮財政を求める。

そして行政が緊縮財政すると…というバカげたスパイラルに陥っています。