〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 川崎市政

黒字化する行政、赤字化する民間2018/02/21    

経済の目的は、国民の所得を増やすことです。

少なくとも、国民の所得や生活安全保障を犠牲にして、グローバル株主の利益を最大化することではありません。

また、株価はあくまでも金融経済(ストック)の世界であり、より重要なのは所得(フロー)を創出するという国民経済の世界です。

国内で稼がれた所得の合計が、いわゆるGDP(国内総生産)です。

所得創出のプロセスは次のとおりです。

誰かが生産したモノやサービスを、ほかの誰かが投資・消費という形でおカネを支出して購入する。

このとき、生産されたモノやサービスの価格(生産面)と、購入のために支出された価格(支出面)と、生産者の所得(分配面)とが完全に一致します。

これを「GDP三面等価の法則」といいます。

生産したモノやサービスを売って所得を稼いだ生産者は、今度は需要者側に回って別の生産者からモノやサービスを購入します。

このプロセスが無数にくりかえされる世界のことを実体経済(国民経済)といいます。

ポイントは、誰かがつくったモノやサービスを、ほかの誰かが投資・消費という形でおカネを支出して購入することです。

ここでいう「ほかの誰か」とは、ときに家計(個人)であり、ときに企業であり、ときに役所であり、ときに海外(外需)でもあります。

要するに、家計、企業、役所、海外の4つ経済主体のいずれかがおカネを支出して誰かのつくったモノやサービスを購入してくれない限り、誰の所得も創出されないのです。

国民経済の世界では、モノやサービスの購入に回らなかったおカネのことを「貯蓄」(借金の返済も含む)といいます。

この貯蓄に回ったおカネの行き先こそが、まさに金融経済(ストック)の世界です。

人々のモノやサービスの購入が停滞する経済、即ちデフレ経済によって実体経済(GDP)が縮小し、金融経済(ストック)が拡大していくのは極めて不健全な経済です。

逆に言えば、家計、企業、役所、海外(外需)、というそれぞれの経済主体が、それぞれにモノやサービスの購入を控えてしまうからこそ、デフレ経済になるわけです。

とはいえ、デフレ期においては、家計や企業に国内需要を牽引させることは不可能です。

家計や企業というものは、一定の儲けや何らかの利益を見込めないかぎり投資・消費を拡大することはできないからです。

であるからこそ、今まさに政府(行政)の出番なわけですが、残念ながら安倍政権はいつの間にか緊縮財政を国是にしてしまいました。

上の二つのグラフはともに、安倍政権の緊縮財政ぶりを示しています。

また、地方行政においても然りです。

下のグラフのとおり、2005年には約100億円だった地方行政の預金残高は、2016年には約880億円にまで膨らんでいます。

とりわけ地方行政のなかでも、大幅に国民経済を貧しくしている自治体は川崎市政です。

下のグラフのとおり、基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いた金額を示す「普通地方交付税」をみると、今年度(2017年度)も政令指定都市では川崎市だけがゼロです。

まるで夜な夜な貯金通帳を眺めて喜んでいるように、そんなにおカネを貯め込んでどうする気なのでしょう。

行政の目的はおカネを貯め込むことではなく、街づくりや福祉など必要なインフラを整備して日本国民たる川崎市民の所得を増やすことです。

そのための投資や消費を惜しむ必要などありません。

市民の所得が増えれば、必然的に市税収入は増えるのですから。

因みに、資金循環上、行政部門の黒字化は民間部門の赤字化を意味します。