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議会報告 政治・経済

ミザリー指数(悲惨指数)2018/02/16    

ブルームバーグは、66カ国・地域のインフレと失業の見通しを基にミザリー(悲惨)指数というものを発表しています。

今年(2018年)、経済面で最も惨めな国になると予想されているのは南米のベネズエラで4年連続です。

しかも、ベネズエラの悲惨指数は昨年の3倍に上昇したとのことです。

因みに、2位は南アフリカ共和国、3位はアルゼンチンと続きます。

ここで改めて国力というものを考えさせられます。

前述のとおり、ミザリー(悲惨)指数はインフレと失業の見通しで算出されます。

つまり、ミザリー指数的にベネズエラは、世界で最も物価上昇率が高く仕事のない国であるということです。

物価上昇率が13,000%(年間)を超えた経済状態をハイパーインフレーションといいますが、ベネズエラがまさにそれです。

例えば、今日(今年)1,000円だったラーメンが、来年には13万円にまで値上がりする経済です。

一方、我が日本国はその真逆で、20年間にも及ぶデフレ経済によってインフレ率はわずか1%未満の異常事態が続いています。

つまり、物価が上がらなくて困っています。

インフレ率というのは、概ね2%~5%程度が正常値ではないでしょうか。

デフレから脱却し、2%~5%のマイルドなインフレーションが継続されると、ほどよく経済(GDP)は成長し、雇用が創出され実質賃金も上昇していきます。

ご承知のとおり、現在、日本銀行はインフレ率(コアCPI)を2%にするべく、果敢に量的金融緩和(金融機関が保有する国債の購入)を行っていますが、まったく効果なしの常態です。

あたりまえの話しですが、日本銀行がどんなに国債を購入したところでインフレ率は上昇しません。

インフレ率は、誰かが作ったモノやサービスという付加価値を、他の誰かがおカネを払って購入してくれない限り絶対に上昇しないのです。

つまり今の日本には、マイルドなインフレ経済にするための需要創出(財政拡大)政策が求められているわけです。

逆に、ベネズエラは国民の需要(モノやサービス)を満たすだけの供給能力(ヒト・モノ・技術)が足りておらず、完全に需要過多の状態です。

日本 = 需要不足 = デフレ

ベネズエラ = 供給不足 = インフレ(ハイパーインフレ)

そこで、日本とベネズエラの政府債務残高対GDP比率を比較してみます。

何かと問題視される「政府の借金(債務)」ですが、上のグラフのとおり、日本の政府債務残高対GDP比率はブルームバーグの言う世界で最も悲惨な国(ベネズエラ)の8倍です。

といって、「日本はベネズエラの8倍も悲惨な国だ」とはならないはずです。

(ネオリベは本気で言いそうで怖い…)

因みに日本の場合、既に政府債務(国債)の40%以上を政府の子会社たる日本銀行が保有していますので、実際の政府債務残高対GDP比率はもっと低くなっています。

「…それでも借金は借金じゃいなかぁ」と、まるでおカネの有る無しこそが国力の源泉であると言わんばかりの人々もおられましょう。

しかしながら、もしもそうだとすると、日本よりも政府債務の少ないベネズエラのほうが国力のある国ということになってしまいます。

国力の源泉はおカネなんかじゃない。

国民が求めるモノやサービスをつくる力、つまり供給能力こそが国力の源泉です。

その意味では、デフレというのは国力が有り余っていることのあるの種の裏返しでもあります。

その証拠に、国力のないベネズエラが、即ち供給能力が不足しているベネズエラがデフレ経済に陥ることなど絶対にあり得ませんので。

つまりは、建設会社が建物や道路や橋をつくる力、農家がお米や野菜などの食料をつくる力、運送会社がモノを運ぶ力、お医者さんが病気を治す力、介護事業者が介護する力、造園会社が樹木を植栽したり庭園を築造したりする力、水道局が美味しくて安全な水をつくる力、教育機関が子供を育成する力、電力会社が電気をつくる力、造船会社が船をつくる力などなど、これら国民の求めるモノやサービスという付加価値をその国自前のリソース(ヒト・モノ・技術)で供給できる力こそが国力そのものです。

その力(供給能力)が衰えさえしなければ、どんなに政府債務が増えようとも、ハイパーインフレーションになど絶対になりません。

デフレが真に怖いのは、これらの供給能力を容赦なく毀損していくからです。

供給能力の毀損はミザリー指数を悪化させます。

であるからこそ、デフレの放置は国家の自殺行為なのです。