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議会報告 政治・経済

ドイツ政界の混迷は健全な民主主義の結果!?2018/02/09    

去年9月の総選挙以降、政権が発足しないという異常事態が続いていたドイツ連邦議会ですが、メルケル首相が率いる第1党のキリスト教民主・社会同盟と第2党の社会民主党との間で連立政権樹立に向けた交渉が合意されたとのことです。

当初、キリスト教民主・社会同盟(円グラフの黒)、自由民主党(円グラフの黄)、緑の党(円グラフの緑)の3党による連立政権構想がありました。

黒、黄、緑は各党のイメージカラーで、その3色がジャマイカの国旗の色合いと同じことからジャマイカ連立などとも言われていましたが、結局は決裂してしまい現在に至るまで連立政権は発足していませんでした。

ここにきて、ようやく第1党と第2党との間での連立合意が成されつつあるようです。

とはいえ、第2党の社会民主党は今後、全党員による党票で政権入りを最終判断する予定になっていて、残念ながら党内には多くの連立反対派を抱えているため、大連立政権発足の見通しはなお予断を許さない情勢です。

44万人だった社会民主党の党員は既に46万人に増えており、この約2万人の増員は連立政権樹立反対派が反対票獲得のためにかき集めてきた新たな党員のようです。

もしも党員投票で否決されれば、連立構想は再び座礁し、第1党のみの少数政権発足となるか、もしくは再選挙の可能性もでてきます。

ドイツ政界がここまでの混乱を極めている背景には、むろん第3党となった「ドイツのための選択肢」(円グラフの赤)の大躍進があります。

今、欧米の世界では、グローバリズム派と反グローバリズム派との間で激しい政治闘争が行われています。

誤解を恐れずに、この2派(グローバリズム派と反グローバリズム派)を大まかに定義・分類すると次にようになります。

グローバリズム派 = カネ・モノ・ヒトの国境超えた自由の最大化を求める人々

反グローバリズム派 = あくまでも国境を踏まえた上での国際化を求める人々

また、グローバリズム派株主資本主義反グローバリズム派国民経済主義といっていい。

EUでは、ユーロ・グローバリズムの名のもとに、EU加盟国が国境を否定しカネ・モノ・ヒトの移動の自由を最大化させてきた結果、とりわけ西ヨーロッパの国々においてはネイティブ国民たちの職と所得は怒涛の如く流れ込んでくる移民に奪われ、国内における所得格差がとめどなく拡大して政治的な混迷を深めてきました。

因みに、一昨年の米国大統領選挙におけるバーニー・サンダース現象やドナルド・トランプ現象もまた、歴然とした反グローバリズム運動の流れです。

グローバリズムを推し進めていけば、究極的には「1% vs 99%」という凄まじい格差社会になるのは必至です。

そのうえ「1% vs 99%」の「1%」が権力と結びつき、グローバル企業やグローバル投資家らの都合で様々な規制が緩和され、緊縮財政などのデフレ化政策が採用されていきました。

意外に思われるかもしれませんが、経済がデフレ化するとグローバル企業やグローバル投資家らは儲かります。

そのかわり、その国のいわゆる「中間層」はことごとく破壊され、多くの国民が所得(実質賃金)を減らし、とくに多くの若者たちは非正規雇用や派遣社員など低賃金労働力の提供者にさせられてしまいます。

即ち、グローバリズムによってもたらされるのは、ネイティブ国民の「99%」化です。

なので「1%」に対する「99%」の抵抗運動こそが、まさに反グローバリズム運動です。

その反グローバリズム運動の受け皿として、ドイツでは「ドイツのための選択肢」が、イギリスでは「英国独立党」が、フランスでは「フランス国民戦線」などがそれぞれに躍進しているわけです。

グローバリズムの手先となっているメディアらは、極右とは何なのかの定義すらもせずにこれらの躍進政党を「極右」呼ばわりし、ひたすら悪意に満ちたレッテル貼で世を惑わしています。

しかしそのような姑息なメディア報道も空しく、反グローバリズム派による「1%」への抵抗運動は怯むことなく、その受け皿となった政党がEU各国で大いに躍進しています。

その意味でドイツ政界の混迷はけっして民主主義の混迷などではなく、むしろ健全な民主主義の結果だと思うのです。

残念ながら、グローバリズムや株主資本主義の大いなる矛盾を問題視し、真っ当な国民経済のための政治を標榜し行動する政党が、躍進するどころか存在すらしていないのが我が国・日本です。

ぜひ日本にも、そういう政党が欲しい。