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議会報告 政治・経済

日本が科学技術立国でなくなる日2018/02/07    

宇宙の成り立ちという根源的な疑問を解明するための研究がなされています。

その有名な研究機関の一つが、欧州合同原子核研究機関(CERN、以下「セルン」)です。

よく言われているように、セルンが建設した大型ハドロン衝突型加速器(LHC)は素粒子物理学研究の中枢を担っています。

光速に近い速度で亜原子粒子を衝突させることのできるこの世界最大の加速器は、スイスのジュネーブとフランスの国境をまたぐ地下約150メートルにあって、そのトンネルの周長はなんと約27キロもあります。

この加速器のお陰で、ヒッグス粒子の存在を突き止めるなどの画期的な発見がなされてきました。

このセルンの加速器の後継となるべく、なんとChinaが新たな加速器の建設を目指しています。

Chinaが建設を目指すのは、セルンの加速器の2倍以上の周長54キロ超の加速器です。

次世代の巨大加速器の建設は、数百億ドルもの費用と数十年に及ぶ歳月を要するものになりますが、彼の国はやる気です。

実は我が国にも、奥州市、北上市、一関市の3市を貫ぬくかたちで直線上の加速器が建設されることになる国際リニアコライダー計画(以下「ILC」)があります。

ILCが具現化されると、宇宙の謎を解明するための先端的な研究が我が国でも進められることになり、技術はもちろんのこと、産業、教育、医療などの様々な分野での還元効果が期待できます。

その意味で、ILC計画はまさに分野の垣根を越えた一大プロジェクトです。

因みに、ILCを東北で建設するとなると、その経済効果(最終需要及び生産誘発額)は最低4兆円に及ぶとも言われています。

野村総研の試算によれば、ILCの建設のためには、加速器の建設及び測定器の建設を合わせて9,075億円のコストがかかるらしいのですが、その内、日本が負担する分は4,315億円程度です。

このたかだが4,315億円という金額に恐れおののいて、ILC計画を邪魔をしているのが財務省様を中心にした緊縮財政思想です。

一方、前述のとおり、Chinaはやるのです。

我が国はこのまま、経済、軍事、科学技術など、あらゆる面でChinaに抜かれていくのでしょうか。

例えば、科学系博士号取得者数の推移をみても、我が国はその数を着実に減らし続けています。

下のグラフのとおり、科学系博士号取得者数を減らしているのは日本だけです。

ただ我が国は総人口が減っていますので、それに伴って博士号取得者数が減ってしまうのも当然なのですが、とはいえ日本の総人口減少率はたかだか年間0.2%程度のものです。

下のグラフをみても明らかなように、日本だけが大幅な人口減常態にあるわけではありませんので、博士号取得者数の減少理由を人口減のせいだけにすることはできないはずです。

さほど人口の増えていない韓国だって、科学系博士号取得者数を大幅に増やし、この10年間で約倍増させています。

なのに日本は…

このままいくと、ノーベル賞を受賞できる日本人がいなくなることでしょう。

大学の予算を減らし、研究開発予算を減らし、ILCの邪魔をする。

これら諸悪の根源は、むろんネオリベラリズム(新自由主義)に基づく緊縮財政思想です。