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議会報告 政治・経済

ネオリベ的財政思想による人災 !?2018/02/06    

昨日(2月5日)の夕方、佐賀県神埼市の住宅地に、陸上自衛隊の西部方面航空隊に所属する攻撃ヘリコプター「AH-64D」が墜落し炎上しました。

この事故で副操縦士の高山啓希1等陸曹は死亡され、操縦士の斉藤謙一2等陸佐の行方が分かっていないようです。

炎上した2階建ての住宅には4人のご家族が暮らしておられたそうですが、このうち小学校5年生の女の子が右膝を打つというケガを負ったものの、命に別状がなかったのが不幸中の幸いでした。

報道によると、操縦していた自衛官は熟練で操縦ミスとは考えにくいとのことです。

今後、事故原因の解明が詳細に進められていくものと思われますが、現段階では、AH-64Dのメインローター(主回転翼)が先に落ち、その後に本体が住宅地に向かって落ちていったことが解っているようです。

とすれば、なんらかの整備不良の可能性が高くなってきます。

『飛行中に主回転翼分離、異常音響く 垂直に落下、整備に問題か 「いつもと違う音だった」と証言も
http://www.sankei.com/west/news/180206/wst1802060006-n1.html

佐賀県神埼市の住宅に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落、炎上した事故で、飛行中に機体から異常音が響き、メインローター(主回転翼)が分離してほぼ垂直に落下したとみられることが6日、複数の目撃情報で分かった。飛行前に実施した定期の整備点検に問題があった可能性もあり、陸自は県警などとフライトレコーダー(飛行記録装置)を回収、事故原因の解明を進める。(後略)』

ここからは、私の個人的見解です。

もしも直接的な事故原因が整備不良であったとするならば、その根源はプライマリー・バランス、即ち基礎的財政収支(以下、「PB」)の教義的な追及にあるのではないでしょうか。

ご承知のとおり、覇権国としての米国の退潮、及びChinaの経済成長に伴う軍事力の増強、そして北朝鮮の核開発などなど、我が国をとりまく安全保障環境は年を追うごとに厳しくなっています。

即ち、日本国と日本国民の安全保障ニーズはここ数年で着実に高まりました。

にもかかわらず、我が国の防衛費は相も変わらずGDPの1%枠内で推移しています。

しかも我が国経済は、20年間にも及ぶデフレ経済で分母のGDPそのものが拡大しておりません。

よって、防衛費(安全保障費)が、絶対額で5兆円を超えたことがないという異常事態が続いています。

グラフをみると、とりわけ小泉内閣以降から急激に減っているのが解ります。

第二次安倍政権以降、若干増えつつあるようにみえますが、その伸び率は僅か年間で0.8%程度に過ぎません。

詰まるところ、やっと2003年の水準に戻っただけの話しです。

簡単にいえば、自衛隊及び自衛官に課せられる任務や訓練の量が年々増えていく一方で、その裏付けとなるべき財源が相対的に減っているということです。

既に予算的制約から現場ではトイレットペーパーすらも買うことができず、各自衛官が個人的にポケットマネーでそれらを購入しているほどです。

一向に防衛予算が増えず、ヒトも減らされているのに、ただただ課せられる仕事量(任務や訓練)だけが増えていく。

このような状況が慢性的に続けば、組織のどこかにシワ寄せ的影響がでても不思議ではないように思えます。

むしろ影響がでないほうが不思議です。

なぜ、このようなことになるのか?

それは、PB黒字化というネオリベラリズム(新自由主義)的な教義(ドグマ)があるからです。

PBを黒字化、もしくはバランスさせようとすると、予算総額は絶対に増えません。

起債せずに税収が一定だとすると、どこかの予算を増やしたら、必ずどこかの予算を減らさなければならないのです。

例えば「予算をつけてあげるから、地上配備型のミサイル防衛システムであるイージス・アショアを買ってもいいですよ」とネオリベ財務省が言います。

すると同時に「そのかわり、おたくの省はその分、どこの予算を減らしてくれるんですか?」と言い出すわけです。

それがPB黒字化というネオリベ的財政思想です。

そうなると、企業がそうであるように、自衛隊だって減らせるところから減らさざるを得ません。

それがもしもメンテナンス費用や訓練費用だったとしたらどうなるのでしょう…

むろん、どんなに財務省からPB圧力をかけられても、現場の自衛隊員の皆さんは全身全霊で任務についておられるのだと存じます。

財政破綻リスクがほぼゼロである我が国において、もしも上記のようなバカげたPB黒字化目標が原因となって不必要な事故が発生しているのだとしたら、それは自衛官による人災ではなく、まさにネオリベ的財政思想による人災だと思うのです。

果たして…