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議会報告 政治・経済

0.0852018/02/02    

ロイターの報道によれば、米国の12月の建設支出が、民間住宅などが伸びて年率換算で前月比0.7%増の1兆2,533億ドルとなり過去最高を更新したとのことです。

注目すべきは、民間部門が過去最高となったほか、公的部門の大幅な増加が押し上げの要因となった点です。

なんと連邦政府による建設支出は10.9%増で、2014年10月以来の伸びです。

すごい…

米国は、1980年代以降にはじまった緊縮財政を旨とするネオリベラリズム経済で、今やインフラ脆弱国家になってしまいました。

であるからこそ、トランプ米大統領は先日の一般教書演説においても、今後10年間で1兆7,000億ドルのインフラ投資計画をコミットメントしています。

『米大統領のインフラ計画、詳細発表は2月半ば=政府関係者
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-infrastructure-idJPKBN1FJ08B

米政府関係者は29日、トランプ米大統領のインフラ投資計画に関して、30日の一般教書演説で概要が示されるものの、詳細の発表は2月半ばになるとの見通しを明らかにした。(後略)』

なんだかんだとマスコミから批判され叩かれ続けていますが、それでもトランプ米大統領が30%を超える支持率を維持しているのは、緊縮財政重視のネオリベ政治からの脱却を望む米国国民の支持がことのほか大きいからでしょう。

インフラを再構築するために財政支出を拡大する米国。

それに対し、基礎的財政収支(プライマリー・バランス、以下「PB」)を重視して、脆弱化したインフラを放置する日本…という皮肉にもまったく対照的な構図となりました。

そこで、米国のPB推移をみてみました。

ご覧のとおり、必ずしも常に黒字を維持しているわけではありません。

要するに、金融・財政の世界においてPBなるものは大して重要な問題ではなく、「常に黒字にしなければならない」というようなシロモノでもありません。

基本的にPBは家計簿の発想ですから。

因みに、米国が行うインフラ投資の財源は、むろん国債(建設国債)です。

もしも今の日本で「今後10年間で100兆円のインフラ投資を…」などと提言したらどうなるでしょう。

おそらくメディアを中心に「そんなことをしたら、金利が上昇して日本の財政が破綻するぅ~」の大騒ぎでしょう。

結局、この種の人たちは何を言っても結論は同じで、常に「破綻するぅ~」です。

では今度は、米国の10年物国債の利回り(長期金利の指標)をみてみましょう。

トランプさんが大統領に就任以降、2.2~2.5%で推移してきました。

今後10年間で1兆7,000億ドル分の国債を発行したところで、せいぜい4~6%代の水準で推移していくのではないでしょうか。

それで何か問題でもありますか?…ってところです。

下のグラフのとおり、米国ではITバブルの際でも6%代、リーマン・ショック前の住宅バブルの際でもせいぜい5%代の水準でしたし…

さて、そこで現在の我が国の長期金利(10年物国債利回り)といえば、なんと0.085%(2018年1月末時点)です。

むしろ金利が急騰してもらいたいぐらいの超超超がつくほどの低金利です。

PBにこだわり過ぎるとGDP成長率を押し下げてしまうので、かえって税収が悪化しPBが余計に赤字化します。

0.085%という異常事態を改善するためにも、PBの一旦破棄と財政出動(国債発行)が必要です。

何よりも、超自然災害大国である我が日本国において、PB重視で脆弱化したインフラを放置するのは正気の沙汰ではありません。