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議会報告 川崎市政

人口の増減か、投資の増減か2018/01/31    

地元の情報紙『タウンニュース』の年頭インタビューに福田市長が次のように答えておられます。

「川崎市は昨年4月、人口が150万人を超えました。私が市長に就任した4年前は、144万市民と言っていたので、本当にすごいペースだと思います。全国的に人口減少が続く中、自然増が全国トップであり、また、特に若い世代に選ばれる都市として、成長を続けている元気なまちです」(福田紀彦・川崎市長)
https://www.townnews.co.jp/0204/2018/01/01/412815.html

福田市長のみならず、多くの市政関係者が誤解をされているようですが、必ずしも「人口増=発展(成長)」ではありません。

人口は変わらずとも、もしくは例え減ったとしても、その域内の一人あたりの所得(GDP)が拡大することを発展といいます。

厳密にいうと、産業革命以前の世界では、人口の増減が生産量(所得)の増減に直結していたのですが、産業革命以後の世界では、資本を投じることによって生産量(所得)の増減が決定されるようになりました。

なので、人口の増減によって発展だの成長だの言っている人たちは、産業革命以前の発想ということになってしまいます。

もしくは資本主義というものを正しく理解できていないかのいずれかです。

資本主義とは、労働量を増やすことなく生産性を向上させることにより所得を拡大するシステムですので。

例えばドイツは、日本よりも人口の少ない国ですが、一人あたりのGDPは日本よりも上です。

つまり、ドイツは日本よりも生産性の高い国です。

では、ドイツと日本では何が違うのでしょうか?

決定的に違うのはインフラの充実度です。

例えば高速道路網。

上のグラフのとおり、我が国の高速道路網は韓国にすら負けています。

因みに、ドイツでは高速道路網の3割以上が6車線道路であるのに対し、日本のそれは僅か7.1%です。

また、都市間連絡速度と到達可能エリアで比較しますと、日本は1時間で約51キロであるのに対して、ドイツのそれは約90キロです。

上の図のとおり、それを面積にするとドイツは日本の約3倍になります。

即ち、日本のピザ屋さんは30分で一軒しか配達できませんが、ドイツのピザ屋さんは30分で3軒の配達が可能ということです。

一人あたりの所得に差がでるのはこうした理由からです。

なお、日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの各国の道路ネットワークを比較したとき、ドイツのそれが突出していることを示すのが下の図です。

つまり、公共インフラ、設備投資、技術開発投資、人材投資などの各種投資を怠ることなく着実に行っていけば、人口が増えずとも一人あたりの所得を拡大させることが可能となるわけです。

例えば、川崎市では武蔵小杉にタワーマンション群が乱立して市内人口が一気に増えましたが、それに伴うだけのインフラ投資を行っていないがために、武蔵小杉駅は朝夕の混雑で利用者に危険と不便を強いるに至っています。

はやくも多くの新住民から、不満の声が上がっています。

要するに、より重要なのは人口力ではなくインフラ力です。

下のグラフは、労働生産性の国際比較ですが、我が国のそれは落ち込んでいく一方です。

川崎市であれ、日本国であれ、人口が増えるから発展する、あるいは人口が減るから衰退する、などという誤った認識を捨て、資本主義の基本に立ち戻って必要な投資を拡大していくべきだと思います。

その時に重要なのは、おカネなんかじゃない。

日本国内の供給能力(人材・生産資産・技術)です。