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議会報告 川崎市政

悔しいけれど「見習う」べき2018/01/27    

スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラム(ダボス会議)で、黒田日銀総裁が「インフレ率がようやく目標の2%に近い状況にある」と発言されました。

これはダボス会議のパネル討論会での発言のようで、総裁は「賃金が上昇しつつある兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」と英語でお話しされた模様です。

総裁の言われている「兆候」ってどんな?

総裁の言われている「一部」ってどこ?

と、思わず突っ込みが入りそうです。

1月26日に総務省から発表された昨年12月の消費者物価指数は…
[1]生鮮食品を除く総合(コアCPI)が、0.9%(前年同月比)の上昇
[2]生鮮食品及びエネルギーを除く総合が、0.3%(前年同月比)の上昇
…でした。

なるほど、昨年12月は確かに上昇しているようです。

では、時系列でみるとどうでしょうか。

さっそくグラフ化してみました。

まず、オレンジ色の折れ線グラフについてですが…

このオレンジ色の折れ線グラフが、当初、日銀が指標にしていたコアCPI(生鮮食品を除く総合)です。

グラフのとおり、たしかに一昨年(2016年)の8月を底にして順調に上昇しています。

ところがコアCPIには、生鮮食品が除かれているものの残念ながらエネルギー(原油)価格が含まれています。

なのでエネルギー価格、とりわけ原油価格が上昇してしまうと、国内の景気動向とは無関係にコアCPIは上昇してしまうのです。

そこで原油価格(WTI)を調べてみますと、2016年1月の時点で約1バレル30ドルだった原油価格が、2017年12月には1バレル57.88ドルにまで上昇しています。

前述のオレンジ色の折れ線グラフが、一昨年の8月以降に上昇しているのはそのためです。

次いで、青色の折れ線グラフはコアコアCPIで、日銀は当初「“食料(酒類を除く)”及び“エネルギー”を除く総合」をコアコアCPIの定義としていたのですが、酒類が除かれると低めの数字がでてしまうことを懸念してか、いつのまにか日銀は「食料及びエネルギーを除く総合」(酒類を含む)をコアコアCPIの定義に変えてしまいました。

それでも私は、上のグラフのとおり、より景気実態を反映すると思われる「“食料(酒類を除く)”及び“エネルギー”を除く総合」(日銀が最初に定義した指標)で推移をみています。

これでみると、2017年はわずか0.1%(前年同月比)程度の上昇に過ぎません。

黒田総裁が「兆候」や「一部の」などの抽象語で誤魔化そうとする(!?)のは、こうした背景があってのことだと思われます。

結論としては、政府による実需創造(財出)がないままに、金融緩和だけでの「2%の物価目標の達成」及び「デフレ脱却」は困難であると思われます。

むろん悪いのは黒田日銀ではなく、頑なに緊縮財政を続ける政府(とくに財務省)ですけれど…

少しは中共(中国共産党)を見習ってほしい。

彼の国は、国内の過剰供給能力の捌け口として、一帯一路というインフラ整備構想を掲げ、その金融的裏付けとしてAIIBをも設立しました。

現に、これまで一帯一路で受注した企業の9割以上はChina企業とのことです。

なお、一帯一路とAIIBの決済は「人民元」建てです。

一帯は、China西部から中央アジア~ヨーロッパにかけて結ぶシルクロード経済ベルトであり、一路は、China沿岸部から海を渡って東南アジア、インド、中東、アフリカ、ヨーロッパを結ぶ海上シルクロードです。

これら関係国へのインフラ投資や融資を行うことで、この地域における米軍の政治的プレゼンスを低下させ、この経済圏からドルを締め出す。

しかも、国内の需要不足を解消させる。

まさに中共による一石三鳥の大戦略です。

その一帯一路やAIIBに「日本も積極的に参加すべきだ」という意見が巷には溢れていますが、以上のような理由から、とうてい私には与することのできない意見です。