〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

増える続ける飲食業の倒産2018/01/21    

東京商工リサーチによれば、2017年における「飲食業」の倒産件数は766件となり、前年より約2割増になったとのことです。

750件を上回ったのは3年ぶりで、政府が喧伝している景況感とは裏腹に実体経済の深刻さを象徴しています。

飲食業経営を圧迫しているのは、主として仕入価格の高騰、及び人手不足による人件費増加などのコストアップがあります。

そして何よりもデフレという需要不足、とりわけ個人消費の低迷という経済情勢が背景にあります。

一方、仕入れ価格の高騰は、量的緩和による円安で輸入物価が高騰しているためかと思われます。

ついでに昨今の失業率の改善についてですが、これは景気回復に伴うものではなく、たんに生産年齢人口比率の低下によるものです。

人手が不足すると、売り上げとは無関係に人件費に上昇バイアスがかかります。

それでいて、お店としてのお客さんの量(売り上げ)は増えない。

そんな経営状態が長く続けば「人手もないし、売り上げも上がらないし、それでいて手間ばかりがかかるんだったら、これ以上、商売をやるメリットはない」と言って廃業される事業者が増えるのも無理からぬことかと思われます。

東京商工リサーチによると、倒産した飲食業のうち88.7%が負債額1億円未満の小・零細規模事業者とのことです。

デフレ経済は、何よりもまず、中小・零細の企業経営を直撃します。

ところが、我が国の政策担当者たちを支配しているネオリベラリズム(新自由主義)は、この世にデフレ経済など存在しないというドグマ(教義)です。

彼らに言わせると「需要と供給は市場メカニズムが働いて必ず一致するようにできているのだからデフレなど存在しないのだ」となります。

もしもそれが本当であるのなら、政府の貯蓄率を企業の貯蓄率が上回ることなどあり得ないはずです。

ところが現実の経済は、下のグラフのとおり、企業の貯蓄率と政府の貯蓄率とが逆転しています。

需要が不足しているからこそ、資金需要のない企業はその貯蓄率をプラス化させているわけです。

企業の貯蓄率と政府の貯蓄率とのネットが、国内の資金需要になります。

上のグラフでいうと、グレーの面グラフ」がネットの国内資金需要です。

即ち、この「グレーの面グラフ」が大幅にマイナス化することがネットの国内資金需要の拡大を意味します。

そしてしばらくの間、その拡大が継続されていくことが必要です。

やがて、政府の貯蓄率と企業の貯蓄率が逆転したとき、はじめて「もはやデフレではない」と言える経済情勢なります。

それが具現化されないかぎり、飲食業の倒産は更に増えていくばかりです。

加えて、来年10月の消費税増税(8%→10%)、さらには東京オリンピック需要の縮小などを考えると、それはそれは空恐ろしいものを感じざるを得ません。