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議会報告 川崎市政

財政を硬直化させるデフレ下のPB2018/01/18    

安倍政権が、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)黒字化目標の達成時期を先送りするようです。

『財政黒字化の達成時期また先送り、20年代後半に-政府関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-01-17/P2NM8D6TTDS201

政府は財政黒字化の達成時期の見通しを再び先送りする。より現実的な試算を示す方向だが、新しい見通しの達成も難しいという声も上がる。政府関係者によると、内閣府は来週の経済財政諮問会議で示す新試算(経済再生ケース)で、国と地方の基礎的財政収支(PB)の黒字化達成時期を、昨年7月に示した2025年度から20年代後半に先送りする。19年度以降は3.6%ー3.9%と仮定していた名目国内総生産(GDP)成長率を引き下げるという。(後略)』

ネオリベラリズムに基づく緊縮財政派にとっては、極めて「けしからないニュース」かもしれませんが、私ども経世済民を目的とした国民経済派にとっては朗報です。

なぜなら、プライマリー・バランス黒字化目標の先送りによって、財政支出拡大の余地が生まれるからです。

本来であれば先送りではなく、デフレを脱却するまでは凍結してほしいところですが、とりあえず上等です。

川崎市がそうであるように、デフレ経済の下で行政がプライマリー・バランス(以下、「PB」)に縛られてしまうと、財政運営は必ず硬直化して新たな市民ニーズに対応できなくなります。

そりゃぁ、そうですよね…

税収の増えないデフレ経済下において、常に収支を均衡させなければならないとなると、行政はどこかの支出を増やした分、他のどこかで支出を減らさなければなりません。

例えば、市民なり議会なりが「どこそこに公園をつくってほしい」と行政に要望したとします。

すると行政は「わかりました。その代わり、どこの予算を減らしますか?」という話しになってしまいます。

即ち、新規事業は既存事業の犠牲の上でしか成り立たない、という状況に陥るわけです。

ただ、通貨発行権を有しない地方行政の場合には、ある程度の財政規律が求められるのは理解できます。(川崎市の場合は規律が厳し過ぎ!)

しかしながら、通貨発行権を有し、中央銀行たる日本銀行が国債を買い取ることによって政府債務を実質的に消滅させることのできる中央政府までもが、「PBの赤字がぁ~」と言って緊縮財政に陥っているのは誠に馬鹿げています。

財政支出を拡大することを「財政をふかす」といいますが、いったんはPB黒字化目標を棚上げして財政をふかすことができれば、需要不足の解消(デフレ脱却)が可能となり、やがては自ずとPBが改善されていきます。

そもそもPB赤字を拡大させてきた最大の要因はデフレなのですから、どうしてもPBを黒字化させたいのであればデフレという根本原因を元から断たないければならないはずです。

政府がPB黒字化にこだわるかぎり、絶対にデフレを脱却することはできません。

問題は、今年6月に発表される『骨太の方針』で「PBの黒字化目標」がどのように取り扱われるかです。

このフレーズが『骨太の方針』から消えないかぎり、安定的な財政支出の拡大(需要創造)は不可能かと思われます。