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議会報告 政治・経済

米国の利上げと円相場2018/01/16    

米国の長期金利が上がりはじめています。

因みに長期金利とは、米国財務省が発行している10年物国債の利回りです。

米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)の利上げによって、昨年は短期金利が着実に上昇しましたが、下のグラフのとおり長期金利については上げ渋る展開で推移していました。

ところが、今年に入って上がりはじめています。

1月9日には、約9か月ぶりに2.5%を超えました。

理由は、米国景気が指標的に堅調に推移していることからインフレ期待が高まっていることにあるようです。(但し、格差や実質賃金の低下、あるいは移民問題などグローバリズムによる弊害が別の社会問題として存在しています)

日本でもそうですが、実体経済とは無関係に各種の景気指標が堅調になると、当然のことながら市場の利上げ観測が高まるわけです。

さて、米国において利上げ観測が高まると必ず日本で言われるのが、「日米の金利差が円安をもたらす」という仮設です。

今朝の経済番組でも、専門家と称する解説者がそのように言っていました。

下のグラフのとおり、我が国の長期金利は長引くデフレによって悲惨なほどに低迷の一途をたどっています。

この日米の金利差が「円売りドル買い」をもたらす、という言うわけです。

ところが、為替相場はそのとおりには動いていません。

下のグラフのとおり、米国の長期金利が上がりはじめた2017年以降、円安というよりもむしろ円高基調です。

要するに、金利差があるにも関わらず、思うほどには円安に至っていないのが現実なのです。

前述の経済番組で司会者の女性が「あまり円高になっていないようですが、どうしてですか?」と素朴な疑問をぶつけたところ、その解説者は何と応じたか。

「うーん、よく解らないですねぇ…」と応じ、続けて「よく解らないけど、そんなに円高は長くつづかないと思いますよ…」ですって!

しかも、円高が長くつづかない根拠すらも示さずに…

頻繁にテレビに出てくる専門家は、たいていこの程度のものです。

現在の日本のテレビ界では、まともな専門家はレギュラー出演させてもらえませんので。

さて、日米の金利差の拡大が、どうして円安ではなくむしろ円高をもたらすのか?…ですが、答えは簡単です。

円キャリートレードです。

ご承知のとおり、我が国は長引くデフレによって超低金利時代です。

その安い円資金を借りてドルや新興国通貨に両替して米国や新興国に投資をしている外国人投資家がいます。

こうした行為を円キャリートレードといいます。

ところが米国の利上げ観測が高まると、彼らは円資金をいったんは返済して、別の資金を元手に高利回りの見込める市場に再投資します。

当然のことながら、円資金を返済するには手持ちの外貨を円に戻さなければなりません。

そこで円買いドル売りの為替取引が発生します。

日米の金利差が拡大すると円高圧力がかかるのはこうした理由からです。

私はこうした解説をテレビの経済番組で拝聴したことがありません。

もはやテレビは真実を語るメディアではないことがよく解ります。