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議会報告 政治・経済

グローバリズムが求める「消費税増税」と「法人税減税」2018/01/15    

来年度(2018年度)の税制改正によって、年収850万円以上の会社員の所得税が増税されます。

当初は年収800万円超の会社員が増税対象でしたが、土壇場で変更されて年収850万円超の会社員が対象になりました。

具体的には、年収が850万円を超える会社員の給与所得控除を縮小することで実質的に増税するとのことです。

因みに、2,400万円超の会社員の場合、基礎控除の縮小・廃止が行われます。

今回の一連の税制改正によって、政府としては差し引き約1,000億円の増収となりますので、要するに緊縮財政を目的とした増税政策です。

民がデフレで苦しんでいるというのに、またまたお上が1,000億円のおカネを市場から吸い上げて、更なるデフレ圧力をかけるということです。

国民の不満を和らげるために、今回はとりあえず高所得層をターゲットに増税しましたが、ほとぼりが冷めた後は、いずれ中所得層、そして低所得層という順番で容赦なく増税されていくものと推察します。

加えて、恐ろしいことに来年10月には、消費税が再増税(8%→10%)されます。

そのくせ、政府は法人税率を引き下げようと目論んでいます。

法人税率の引き下げと、消費税の引き上げについては、経団連も要求しています。

経団連が法人税率の引き上げを求めている背景には、米国の法人税率が日本を下回る水準にまで引き下げられる見通しとなっていることがあるのですが、彼らの言い分はこうです。

「これからは企業が国を選ぶ時代だ」、よって「法人税率を引き下げないのなら、もっと法人税率の安い国に会社を移しちゃうぞ」と。

法人税率の水準をOECD加盟国上位8カ国(2017年ベース)でみてみますと、下のグラフのとおり我が国は7番目で、決して飛びぬけて高かったわけではありませんが、米国をはじめドイツやフランスも今後は引き下げる見込みだから日本も追随せよ、とのことです。

経団連の榊原定征会長は「(実効税率)25%への引き下げを求めていきたい」としています。

グローバリズム(株主資本主義)の世界では、株主への配当金の原資となる純利益を最大化せよ、という圧力が常に経営者にのしかかります。

法人税率の引き下げは企業の純利益の拡大につながることから、まさにグローバリズム(株主資本主義)の要請であると言っても過言ではありません。

現に、労働分配率よりも株主への配当利回りのほうが優先されてきたのがグローバリズム(株主資本主義)です。

とはいえ、長引くデフレによって需要不足に苦しむ中小企業を中心に、約6~7割の企業が法人税を納めていません。

なので、法人税率の引き下げで喜ぶのは主に大企業と、そこに投資しているグローバル投資家たちだけです。

百歩譲って、もしも法人税率を引き下げるのであれば、たんに一律に引き下げるのでなく、労働分配率を引き上げた企業、あるいは設備投資や技術開発投資を積極的に行っている企業など、何らかのインセンティブをつけてほしい。

それから、グローバリズム(株主資本主義)は法人税率の引き下げを求めると同時に、どうして消費税の増税をも求めるのか、についてですが…

消費税は、消費性向の高い低所得層には厳しい税制ですが、消費性向の低い高所得層には痛くもかゆくもない税制だからです。

何よりも消費税増税はデフレ圧力そのものです。

グローバリストはデフレ経済を好みます。

とりわけグローバル投資家は、資産価値が目減りするインフレ経済を大いに嫌うわけです。

であるからこそ、消費税増税と法人税減税は、グローバル投資家やグローバル企業にとって利益を最大化すための格好のツールなのです。