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議会報告 政治・経済

消費税増税とプライマリー・バランス2018/01/11    

来年の10月、消費税が増税(8%→10%)されます。

デフレ脱却の兆しなど何も見えていないのに本当にやるんでしょうか。

どうやら安倍政権は本気で日本経済の息の根を止める気らしい。

『麻生氏 財政健全化へ消費税率10%引き上げ欠かせない
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180105/k10011280001000.html

麻生副総理兼財務大臣は「基礎的財政収支」という財政健全化の指標を黒字化させる新たな目標を、ことしの夏までに作る考えを示し、健全化には予定どおり消費税率を引き上げることが欠かせないと強調しました。(後略)』

麻生さんによれば、増税の目的は基礎的財政収支の黒字化だそうです。

基礎的財政収支、別名プライマリー・バランス。

ご承知のとおり、政府は国民生活の福利向上のために社会保障費、地方交付税、公共事業費、教育費、防衛費などを支出しています。

借金の返済分を除いた、これら政府による支出と税収との差(バランス)をプライマリー・バランス(以下「PB」)といいます。

政府はこれを2027年度までに黒字化しようとしています。

『基礎収支の黒字化は27年度に 内閣府試算、健全化計画の土台に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25527400Q8A110C1EA2000/

内閣府は国と地方の基礎的財政収支(PB)を巡り、2027年度に黒字化するとの試算をまとめた。(後略)』

日本政府のPBが大幅に赤字化しているのは、少子高齢化によるものというよりも、長引くデフレによって税収が不足しているためです。

1997年までのPBは、せいぜい8~10兆円程度の赤字でしたが、デフレがはじまった1998年に急激に増えました。

原因は、1997年の消費税増税(3%→5%)を伴う緊縮財政です。

その後、税収不足をデフレ脱却によって克服しようとせず、弛まない緊縮財政によってPB赤字を縮減させてきたために日本経済は余計にデフレ化しています。

デフレ化するから税収が不足する。

税収が不足するからPBが赤字化する。

PBが赤字化するから緊縮財政をする。

緊縮財政をするからデフレ化する。

いつまでこのようなバカげたスパイラルを繰り返すのでしょうか。

そもそも資本主義経済とは、政府・企業のいずれかが赤字を拡大することで成長していく経済システムのことです。

デフレによる需要不足で民間企業の投資意欲が乏しい今、カネを借りて使うことのできる経済主体は政府しかありません…

…などと言うと、「そんなことをしたら国の借金が膨らんで日本が破綻しちゃうじゃないか」というお叱りを頂きそうですが、ご心配なく。

なぜなら日本国は借金国ではなく、世界一の対外純資産国です。

ご覧のとおり、我が国はダントツの1位であり、ダントツのカネ持ち国なのです。

しかもまだまだ増え続けています。

そうすると今度は「…でも、政府の借金は1,000兆円を超えているじゃないか」と言われそうです。

ですが、それもご心配なく。

川崎市に巣食っている、とある団体がいつも用いる手法が典型ですが、絶対値だけをみて騒ぎ立てるのはペテンです。

それはまるで街の商店が抱える負債額と、大企業が抱える負債額を絶対値で比較するようなものです。

例えば、ある街の商店(商店A)の負債額が200万円、ある大企業(企業B)の負債額が1億円だったとします。

それを「商店Aは200万円の負債しかないのに、企業Bは9,800万円も借金が多いから潰れるぅ~」と言っているようなものです。

会社の規模ごとに負債額に差が出るのは当然です。

政府の負債も然りで、国の規模、とりわけGDPの規模に対して負債が多いのか少ないのかをみなければならないはずです。

そこで政府債務の対GDP比率をみてみますと、下のグラフのとおり確かに200%を超えていますが、日本銀行が保有している政府負債(国債)については政府に返済の義務はありませんので、日本銀行の保有国債分を除いた政府債務対GDP比率でみる必要があろうかと思います。

オレンジ色の折れ線グラフのとおり、実質的な政府債務対GDP比率はたかが 122%です。

今は、日本銀行の量的緩和(国債購入)によって実質的な政府債務対GDP比率が縮小していますが、デフレ脱却に成功すれば、GDPを拡大することによって政府債務対GDP比率を低下させていくことが可能です。

それでも「デフレが脱却されるまでなんて待てない!」というのであれば、今すぐ日本銀行がすべての国債を買い取ればいい。

その瞬間に政府債務対GDP比率はゼロ%になります。

要するに、自国通貨建てで国債を発行している日本政府がデフォルト(債務不履行)する可能性などゼロ%なのですから、そもそもPBを無理矢理に黒字化する必要性などないはずです。

つまり我が国には、メディアが騒ぎ立てているような、いわゆる「クニのシャッキン」問題なんて存在しないのです。

よって、消費税の増税も、PBの黒字化もいらない。