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議会報告 政治・経済

あれから5年2018/01/09    

第二次安倍政権が発足したのは、2012年12月のことです。

そのとき、総理が示したアベノミクス3本の矢は「デフレ脱却」を目的とするものでした。

あれから5年が経ちました。

総理は先日まで「もはやデフレではないという状況を作り出すことに成功している」と言っていたはずなのですが、去る1月7日に「1日も早くデフレ脱却宣言ができるよう、あらゆる政策を総動員したい」と述べています。

『安倍首相、デフレ脱却宣言へ意欲 日銀総裁人事は「白紙」
https://jp.reuters.com/article/abe-japan-idJPKBN1EW02H

安倍晋三首相は7日、「1日も早くデフレ脱却宣言ができるよう、あらゆる政策を総動員したい」と述べ、デフレからの早期脱却に意欲を示した。今年4月に任期満了を迎える日銀の黒田東彦総裁の後任人事については明言を避けた。(後略)』

「もはやデフレではないという状況を作り出せた」なら、それをデフレ脱却と言うのではないのですか?

なのに「早く脱却宣言できるようにしたい」と言う。

いったい、どっちなんだよ!

結局、「未だデフレ脱却を宣言できない」ということは、依然としてデフレ状態であることを暗に認めておられるのでしょう。

3本の矢にしても、当初は①金融緩和、②財政出動、③成長戦略、と言っていたのに、いつのまにか…
⓵金融緩和
⓶緊縮財政
⓷ネオリベ的構造改革…
に変貌してしまいました。

変わっていないのは、①の金融緩和だけ。

これでは、デフレ脱却などできるはずがないのに…

それでも、いわゆるリフレ派たちは、金融緩和だけでデフレ脱却は可能であると考えていました。

彼らの理屈はこうです。

まず、日本銀行が2%のインフレ率(物価上昇)目標をコミットメントする。

そして、インフレ率が2%に達するまで量的金融緩和を行う。

量的金融緩和とは、日本銀行が民間金融機関の保有している国債を購入することです。

このとき、日本銀行が目標とするインフレ率(2%)のことを「期待インフレ率」といいます。

要するに、期待インフレ率を高めれば実質金利(実質的な貸出金利)が低下するので、おカネを借りてくれる人や企業が増えて景気が良くなるでしょ…という理論です。

即ち、期待インフレ率理論です。

名目の貸出金利 - 期待インフレ率(2%) = 実質の貸出金利

ところが、日本銀行の量的金融緩和によってマネタリーベースを480兆円にまで拡大したものの、一向にインフレ率が上昇しません。

期待インフレ率ではなく、がっかりインフレ率になっています。

ある意味あたりまえの話しなのですが、マネタリーベースを拡大したからといってインフレ率(物価)が必ずしも上昇するわけではありません。

誰かがモノやサービスを購入しない限り、インフレ率(物価)は上昇しないのですから。

要するに、リフレ派のいう期待インフレ率理論はこの時点で既に破綻しているわけです。

そもそも多くの経営者は、実質金利をみて経営などしていないのだとか。

実質金利が安かろうが高かろうが、経営者は収益の見込みさえあればおカネを借りて投資するし、収益の見込みがなければおカネを借りて投資などしないとのことです。

現に世界銀行の調査によれば、下のグラフのとおり、既に日本の貸出金利(実質金利)は低下しています。

おそらくは、デフレの長期化と深刻化により企業による資金需要が不足しているため、民間金融機関の多くが貸出先に窮しているからでしょう。

要するに、結果として実質金利は下がっているのにもかかわらず、デフレは脱却されていないのです。

リフレ派理論なるものが、いかにデタラメな理論だったのかがよく解ります。

もはや、これ以上の実質金利の低下も、これ以上の量的緩和も必要ありません。

必要なのは総需要の不足を埋めるための、政府(中央、地方)による財政支出(需要創造)の拡大です。