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議会報告 川崎市政

「開かずの踏切」とプライマリー・バランス2018/01/07    

いわゆる「開かずの踏切」には、ちゃんとした行政的な定義があります。

国土交通省の定義によれば「ピーク時間の遮断時間が40分/時以上の踏切のこと」で、全国に600カ所ほど存在しているとのことです。

私の選挙区である川崎市多摩区には、東西にJR南武線が、南北に小田急線がそれぞれ登戸駅で交差して走っているのですが、とりわけ小田急線の多摩区内の踏切は、1カ所を除くとすべての踏切が上記の定義を充たしています。

とはいえ、定義を充たしていない1カ所の踏切さえも、ピーク時間の遮断時間が39分/時以上ですので、ほぼすべての踏む切りが「開かずの踏切」です。

踏切を完全に解消する手段は、高架化するか地下化するかのいずれかです。

これを進める事業がいわゆる「連続立体交差事業」です。

連続立体交差事業は国(国土交通省)が事業認可し、地方自治体が事業主体となって進められますが、事業費用は基本的に国と地方自治体の折半です。(約5%程度が鉄道会社の負担)

また、連続立体交差事業は「一自治体・一事業」の原則があります。

同事業は多額な事業費負担を要することから、国は原則として一つの自治体に対して同時に複数の事業認可を出しません。

現在、川崎市は京急大師線の連続立体交差事業を行っています。

なので京急大師線の連続立体交差事業の事業進捗にある程度の見込みがつかないかぎり、川崎市において新たな連続立体交差事業の認可を貰うことはできないわけです。

そうしたなか国土交通省は、全国に600カ所もの「開かずの踏切」が存在している現状を鑑みて、高架化や地下化を進める自治体の費用を補助するための新しい交付金を創設するようです。

『「開かずの踏切」解消へ新交付金 高架化など支援  国交省
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25417780W8A100C1MM8000/

国土交通省は2018年度に、大都市で慢性的な渋滞の原因となっている「開かずの踏切」の緩和に向け新たな交付金をつくる。物流を改善して生産性向上につなげるためで、線路の高架化や地下化を進める自治体の費用を補助する。(後略)』

とはいえ、この交付金は「都心部などで一般道の大渋滞を引き起こしているところを中心に配分される」ようですので、川崎市の新たな連続立体交差事業に配分されるかどうかはわかりません。(川崎市は都心部に入るのか?)

それどころか懸念されるのは、政府によるバカげたプライマリー・バラナス黒字化目標があるために、新たな交付金の歳出分が、他の何らかの事業予算の削減をもたらしてしまうことです。

即ち、今回の交付金の新設により、これまで地方自治体に配分されきた何らかの国庫予算が削られていく可能性があるのではないでしょうか。

そうでなければ、あの緊縮財政の権化ともいうべき財務省が、国土交通省に対して予算の増額のみを許すわけなどありません。

プライマリー・バランス黒字化目標をいったんは破棄するか凍結するかしないかぎり、こうしたバカげた予算配分が続くことになります。

大事なことは財政を黒字化させることではなく、国民経済にとって必要なインフラを構築することです。

「円」という自国通貨建てで国債を発行できる日本政府が、債務償還に窮して破綻する可能性などほぼゼロ%なのですから…