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議会報告 川崎市政

アクセルを踏む日銀、ブレーキを踏む行政2018/01/06    

昨日、日本銀行から昨年(2017年)末時点のマネタリーベースが発表されました。

『12月末の資金供給量 2カ月ぶり増で過去最高
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25349660V00C18A1EAF000/

日銀が5日発表した2017年12月の資金供給量(マネタリーベース、月末残高)は479兆9976億円と過去最高だった。11月末から8兆4634億円増えた。(後略)』

マネタリーベースとは…
①日本銀行が発行した紙幣(お札)
②100円玉や500円玉などの政府が発行した硬貨
③日銀当座預金
…の合計で、要するに政府と日銀が発行したおカネの量のことです。

さっそく、グラフ化してみました。

マネタリーベースの金額内訳は…
①の日本銀行が発行している紙幣(お札)が約107兆円
②の政府が発行した硬貨が約4,8兆円
③の日銀当座預金が約368兆円
…です。

ご承知のとおり、拡大しているのは③の日銀当座預金です。

第二次安倍政権が発足した当時の日銀当座預金は47兆円でしたが、それが今や368兆円にまで増えました。

増えたというより、量的緩和という金融政策によって増やしてきたわけです。

日銀当座預金は、民間銀行が保有している国債を日本銀行が購入することで増えていきます。

即ち、日本銀行が国債を購入することによって日銀当座預金という新たなおカネが発行されています。

私たちが普段使っているおカネの担保が、「国債」であることがよく解ります。

むろん、日本銀行は政策的な目的があってマネタリーベースを拡大しています。

その目的とは、デフレ脱却です。

物価と所得が相乗的に縮小していくデフレ状態に歯止めをかけるべく、マネタリーベースというおカネの量を増やしているわけです。

しかしながら、日本銀行の物価目標(インフレ・ターゲット)は消費者物価(コアCPI)で2%なのですが、ご承知のとおり依然として目的は達成されていません。

川崎市の消費者物価指数をみても、下のグラフのとおり全くもって2%の物価目標には遠く及んでいません。(注:グラフはコアコアCPI)

日本経済新聞の記事のとおり、量的緩和を開始して以来、マネタリーベースは過去最高の約480兆円にまで拡大したのに、一向に物価は上昇しない。

なぜでしょう?

因みに、この質問を川崎市の経済労働局という経済を所管する局にぶつけてみても、答えは返ってきません。

当局にとって、デフレとか物価とかはあまり関心がないようです。

答えは至ってシンプルで、どんなにマネタリーベース(日銀当座預金)を拡大しても、それを借りて使ってくれる人(経済主体)がいなければ物価は上昇しないということです。

要するに、どんなにおカネを印刷したところで、ただ神棚に飾っておくだけでは意味がないのです。

需要が低迷するデフレ期においては、存分におカネを借りて使うことのできる経済主体は行政以外にはありません。

その行政が、借りて使うどころか、緊縮財政に走って黒字をあげ市場からおカネを吸い上げています。

国もそうですが、川崎市はその典型です。

川崎市はこの10年以上、毎年、プライマリー・バランス(基礎的財政収支)を黒字化させ(市場からおカネを吸い上げ)、デフレ圧力をかけ続けています。

日本銀行が量的緩和というアクセルを踏みつつ、同時に国や自治体が緊縮財政というブレーキを踏んでいます。

既にタイヤから煙が噴き出しています。

このことは、為政者たちの経済観が間違っていることの結果かと思われます。