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議会報告 政治・経済

内需の弱さは中間層が破壊されてきたことの証左2018/01/04    

対外直接投資というのは、例えば日本の企業が外国に工場を建てたり、あるいは外国企業を完全買収したりするなどの投資を行うことです。

因みに、配当や金利などのインカムゲイン、あるいは売買益などのキャピタルゲインを得ることを目的とした外国への投資のことを間接投資といいます。

その年ごとに直接投資と間接投資がどのくらいあったかのか、財務省が統計をとっています。

そこで、財務省の統計データから対外直接投資の推移をグラフ化してみました。

ご覧のとおり、2016年の時点で18兆円を超えるほどの対外直接投資がありました。

2000年以降、対外直接投資が右肩上がりで増えているのは、むろん国内市場がデフレ状態で内需が弱く、企業にこれといった投資先がないために外国市場に投資の目が向けられてきた結果です。

とりわけ、安倍政権が消費税を増税(5%→8%)した2014年以降の伸びは凄いですね。

いかに消費税増税が国内市場を停滞させたのかが解ります。

もしも2016年の対外直接投資18兆円が国内への投資に向けられていたならば、思いっきりデフレ脱却できますよ。

現在の我が国のデフレギャップは10兆円くらいですから。

要するに、いくら対外直接投資が拡大しているからといって手放しで喜べる話しではないわけです。

その上で、次の日本経済新聞の記事をご覧ください。

『海外直接投資 残高5年で倍増 内需型も進出活発に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25291090T00C18A1NN1000/

海外直接投資が拡大している。財務省・日銀の国際収支統計によると、2017年9月末時点で174兆1570億円に達し、5年前の12年末から91%増とほぼ2倍。世界経済の回復が鮮明になった16年後半から勢いを増している。通信や金融がグローバル競争で海外企業を買収しているほか、小売りなど内需型企業の海外進出も活発になっている。(後略)』

記事を読んで、一瞬、けた違いな数字に驚いたのですが、記事は残高(ストック)を言っているのですね !?

とはいえ、そもそも対外直接投資ってフロー(毎年の額)の話しです。

直接投資からあがる黒字(所得収支の黒字)の蓄積が対外純資産の一部になりますので、対外純資産を残高(ストック)で表すのは理解できますが、対外直接投資を残高(ストック)で記事にするのには少し違和感を覚えます。

ひょっとすると、記事を書いた記者が「フロー」と「ストック」の違いを理解していない可能性があります。

それか、残高で示したほうが数字が大きくみえるために、経済の強さを強調したい財務省がこのように報道発表したものを記者がそのまま鵜呑みにして記事にしたか、です。

しかも、記事の最後に「小売りなどの内需型企業の海外進出も活発になっている」とありますが、むしろこれは内需型企業までもが海外に打って出なければならないほどに内需が弱くなっており、デフレ経済が深刻化していることの裏返しです。

内需の弱さはデフレとともに、いかに日本の中間層が経済的に破壊されてきたのかの証左でもあります。

中間層の部厚い経済構造ほど、社会を安定化させ経済を成長させます。

なぜなら中間層は、そこそこの所得と、そこそこの消費性向を有しているからです。

残念ながら、ネオリベラリズム(新自由主義)に基づく株主資本主義化した社会(グローバリズム社会)がデフレを助長し中間層を破壊しています。

そのことを指摘し、政府に正しい政策(デフレ脱却のための財政出動)をとらせるのがメディアの役割のはずです。

残念ながら、現実は真逆です。

今の日本には、政府の誤りを指摘し、正しい政策を採用させることのできる野党もメディアも存在しません。

悔しいですが…

正月早々、滅入る話しをして…すみません。