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議会報告 政治・経済

解決策は「借金」と「投資」2017/12/22    

日銀では、今年最後の金融政策決定会合が開かれました。

会合後の記者会見で黒田総裁は「景気がいいからそろそろ金利を上げるとの考えはない」と強調され、緩和政策を継続するとのことです。

『景気拡大でも緩和継続、日銀総裁 「物価2%」固執
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24923580R21C17A2EE8000/

日銀は20~21日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めた。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「景気がいいからそろそろ金利を上げるとの考えはない」と強調。あくまでも物価上昇2%目標を達するために今の政策にこだわる考えを示した。(後略)』

日本経済新聞は見出しに「固執」という言葉をつけて皮肉っていますが、黒田総裁の方に理があると思います。

いつも言うように、実質GDPの成長率がプラス化しているのは、デフレによって内需が拡大していないためです。

株価が上昇しているといっても、それは金融緩和による円安のためで実体経済とはほぼ関係なし。

雇用統計が改善しているのも、生産年齢人口(15~64歳人口)比率の低下が原因であって景気とは関係なし。

実質GDPのみならず、名目GDP及びGDPデフレーター(インフレ率)が共に上昇しているのであれば、「景気回復(デフレ脱却)」と言っていいでしょうけれど、残念ながらそうはなっていません。

2014年4月の消費税増税(5%→8%)以降のGDPデフレーターの推移は下のグラフのとおりです。

GDPデフレーターが上昇する時って、どういう時でしょうか?

それは、人々のモノやサービスの購入が盛んになった時です。

上のグラフは、モノやサービスの購入が盛んでないことの証左です。

モノやサービスの購入のことを「需要」と言います。

需要が不足している状態、これをデフレ(需要<供給)と言います。

デフレが続いていしまうと、物価のみならず実質賃金が上がりません。

実質賃金が上昇しないと「消費という需要」が拡大しません。

「消費という需要」が拡大しないと、企業による「投資という需要」も拡大しません。

投資こそが経済成長の源泉なのです。

投資の縮小は、やがて我が国の生産能力の低下をもたらします。

例えば、政府が公共投資という「投資」を減らせば、我が国のインフラが老朽化していきます。

現に、そうなっています。

これら様々な投資の縮小を総称してなんと言うか?

「発展途上国化」です。

であるからこそ黒田総裁が「金融緩和を続けざるを得ない」と言っている理由が解ります。

もしも今、金融緩和を終了したら、真っ先に為替が円高になって株価は暴落することでしょう。

むろん、金融緩和の終了はデフレ対策の終了を意味しますので、日本経済は益々デフレ化(発展途上国化)していくことになります。

なので日銀は金融緩和を続けざるを得ないわけです。

とはいえ、どんなに金融緩和したところで、そのカネを借りて使ってくれる経済主体の存在がなければ、インフレ率は上昇せずデフレを脱却することもできません。

黒田総裁も薄々そのことに気づいているのだと推察します。

それでも総裁の口からは「金融緩和とともに政府支出の拡大が必要だ!」とは言えないのでしょう。

問題は、金融緩和(日銀による国債購入)を続けると言っても、政府が頑なに国債発行を抑制しているがために市場の国債が枯渇しています。

このままいくと、日銀が購入する国債がない、即ち強制的な金融緩和終了の日が訪れます。

解決策は、政府による「借金」と「投資」しかありません。

そうすれば、やがて借金をする経済主体が政府から民間部門に移っていきます。

民間部門が借金(投資)してインフレギャップ(需要>供給)を埋めていく、それこそが真っ当な経済です。