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議会報告 川崎市政

正しい処方箋(経済政策)は、正しい現状分析から!2017/12/21    

川崎市の経済労働局によれば、「国内需要が低迷している原因は少子高齢化だ!」とのことです。

昨日(12月20日)に閉会した川崎市議会定例会でも、経済労働局長は他会派の質問に対し「少子高齢化に伴う国内需要の低迷等により厳しい状況が続いております」と答弁されていました。

経済情勢に関する質問をすると、枕詞のようにこのフレーズが使われます。

いわば、テンプレ・フレーズです。

しかしながら、需要の内訳や、人口と経済成長の関係をみますと、それらの数字は明らかに逆のことを示しています。

まず、このグラフから…

オレンジ色の線グラフは総人口の推移で、青い線グラフは政府と民間の消費支出の推移です。

総人口は2006年をピークに減少しはじめていますが、たかだか毎年0.3%程度の減少率です。

確かに減っているといえば減っているわけですが、それでも官民を合わせた消費支出という需要は総人口とは逆に増え続けています。

そこで、官民消費支出の内訳は次のとおりです。

決してうなぎ上りで増えているわけではありませんが、消費という需要は基調として政府・民間ともに右肩上がりです。

政府支出と言っても、べつに公務員がおカネを使っているわけではありません。

使っているのは国民です。

そこで、政府の消費支出の内訳を時系列でみますと次のとおりです。

棒グラフの赤い部分は「保険」で、具体的には主として医療費です。

即ち、国民が病院に行った時の医療負担です。

この10年間、増え続けています。

また、棒グラフの一番上の黒い部分は「社会保護」で、主として介護費なのですが、やはり10年前に比べて増えています。

つまり何が言いたいのかと申しますと、少子高齢化によって需要が減退したのではなく、むしろ少子高齢化が需要を下支えしてきた、ということです。

では、どうしてデフレ経済なのかといえば、下のグラフのとおり政府・民間をあげて投資を縮小させてきたからです。

政府・民間による投資が縮小しデフレ化しつつも、医療や介護などの高齢者需要が拡大したことによって経済は下支えされていた、ということになります。

いわば、少子高齢化が日本経済を救ってきたのです。

もしも少子高齢化による高齢者需要がなかった場合、デフレが更に深刻化していたにちがいありません。

考えただけでも空恐ろしい話しです。

よって、経済労働局の言う「国内需要低迷の原因は少子高齢化だ!」は嘘で、むしろ「少子高齢化に伴う需要が経済を下支えしていた!」が真実です。

このように経済情勢の「見立て」が間違ってしまうと、「投資を中心とした財政支出の拡大(需要拡大)によるデフレ脱却」という正しい解がでてきません。

正しい現状分析ができなければ、正しい処方箋(経済政策)を導き出すことは不可能です。

信じられないことですが、そもそも本市の経済労働局には「デフレ」という概念がありません。

少なくとも私は、経済労働局長の口から「デフレ」という言葉を聞いたことがありません。

結局、デフレに対する正しい認識が欠如しているために、二言目には「もっと商店街の努力が必要…」みたいな答弁に終始してしまうのではないでしょうか。

もしも経済がインフレ状態であるのなら、そのように言えるかもしれませんが…

努力してもなかなか売れないのが「デフレ」なんですよ、経済労働局長さん!

今議会の一般質問において私は、そのことを指摘させて頂きました。