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議会報告 政治・経済

高度経済成長期の「日本」と現在の「日本」2017/12/17    

本日(12月17日)の日本経済新聞によれば、企業による人材育成投資が伸び悩んでいるとのことです。

『企業、社員に金ださず? 教育投資10年前より3割減
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24739570W7A211C1EA5000/

企業による人材育成への投資が伸び悩んでいる。厚生労働省によると、従業員への月あたりの教育訓練費は10年前より3割減った。優秀な人材を確保するには人への投資が欠かせないはずだが、企業は人にお金を回していないようだ。省庁やシンクタンクに話を聞くと、「非正規社員」「社会保障負担」「省力化投資」という3つのキーワードが浮かんできた。(後略)』

記事中にある3つのキーワードのうち、「社会保障投資」も「省力化投資」も共に必要でしょう。

しかし「非正規社員」化の流れは、まさにネオリベラリズム(≒株主資本主義)の流れそのものです。

きっと企業側にとっては「非正規ならカネをかけなくてもいいじゃん」ということなのでしょう。

とはいえ「非正規社員にはカネをかけないけど、株主様へは利益を還元します」というところが、株主資本主義の真骨頂です。

下のグラフのとおり、企業による人材育成のための投資は減りつつも、企業の株主への配当金は順調に増えています。

一方、労働者の実質賃金はどうか?

実質賃金は1997年以降、一貫して下がり続けています。(日本国民の皆様、もっと怒りましょう!)

未だ日本式経営がネオリベラリズムに汚染・破壊されていなかったころの、即ち日本が高度成長期という経済の絶頂期を迎えていたころの転職率(入職率と離職率)と、現在のそれとを比較してみますと、下のグラフのとおり、意外にも高度経済成長期の転職率のほうが高かったことがわかります。

高度経済成長期は完全雇用状態が続いていましたので雇われる側のほうが職を選べる時代でした。

なので「転職率」が高かったのです。

転職率が高かったがために、企業側は終身雇用と人材投資によって職員を囲いこもうとしたわけです。

高度経済成長期の生産年齢人口の増加ペースは毎年1.7%程度でしたが、そうした中どうして完全雇用を維持できたのでしょうか。

それは、外国人労働者を受け入れることなく、企業が人材投資、設備投資、技術開発投資をすすめ、日本国民一人あたりの生産性を向上させてきたからです。

働く人一人あたりの生産性向上のことを「経済成長」といいます。

そして政府もまた、着実な公共投資によってインフラという社会の下部構造を整備していきました。

これら官民によるそれぞれの投資が相乗効果を発揮して、総人口の増加率はたったの1%程度であったにも関わらず、高度経済成長を実現することができたのです。

それなのに現在の日本は、政府はバカげた「財政破綻論」を理由に公共事業を減らしインフラをボロボロにし、企業はひたすら株主利益を優先させ、投資や労働分配率を抑制しては内部留保を蓄えてきました。

つまり高度経済成長期の日本とは、まったく逆のことをやっています。

まちがいなく日本は発展途上国化しています。

一刻もはやい、政策の大転換を求めます。