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議会報告 政治・経済

来年度もまたデフレ予算!?2017/12/14    

来年度(2018年度)予算の政府原案が12月22日に閣議決定されます。

報道によれば、一般会計の総額を97兆円台後半とする方向で調整に入っているようです。

もしも原案どおりに成立すれば、6年連続で過去最大の規模を更新することになります。

しかしながら、下の日本経済新聞の記事にあるとおり、新規の国債発行を抑制し、税収増によって歳出増を賄うとのことです。

『新規国債発行減額へ歳出増でも税収増で 18年度予算案
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24592050T11C17A2EE8000/

財務省は13日、2018年度予算案で、新たに発行する国債を17年度より減額する方針を固めた。一般会計の税収が1兆円規模で増加するためだ。社会保障費の膨張で、歳出の総額は98兆円前後と過去最高を更新するが、税収の伸びが歳出の増加分を上回る。財政健全化はやはり税収頼みという構図が見て取れる。(後略)』

これこそが、まさに「家計簿ポリティクス」です。

政府には、家計では持ち合わせていない次の3つの特異な権限があります。
1.通貨発行権(中央銀行の国債購入によって借金を帳消しにできる権限)
2.徴税権
3.借金の借り換え

こうした行政機関が「収入の範囲内で支出を完結しよう」という家計簿的発想で財政を運営しているのですから、たまったものではありません。

我が国はデフレによって内需が低迷していますが、日本銀行が行っている量的緩和(民間銀行のもつ国債を購入すること)が円安をもたらし、そのことが輸出企業の名目値での利益を拡大させてきました。

トランプ米国大統領から「日本は為替操作国だ」と批判されてきた所以です。

しかしながら、日本銀行による量的緩和にもいよいよ終わりが近づいています。

なぜなら、下のグラフのとおり、日本銀行による量的緩和の結果、2017年6月末時点において既に、市場に出回っている日本国債の40%以上を日本銀行が保有しています。

民間銀行の国債保有率は18%程度にまで減少しています。

このことは即ち、日本銀行が購入しようとしている「市場の国債」が既に枯渇していることを意味しています。

生損保や公的年金など、民間銀行以外のセクターも国債を保有していますが、彼らは民間銀行以上に長期資金の国債運用比率が高いがため、いま保有している国債を手放すことはできないでしょう。

日本銀行が量的緩和を続けているなか、政府が新規国債の発行を抑制しているのですから、やがてデッドライン(強制的な量的緩和の終了)がくるのは当然です。

強制的な量的緩和の終了は円高をもたらし、これまで円安という為替の恩恵を受けてきた輸出企業の経営は圧迫され、日本経済にとってはさらなるデフレ圧力になります。

そもそも、政府が緊縮財政(新規国債発行の抑制)を行うと、世に出回る貨幣供給量を減らすことになりますので、このこと自体がデフレ圧力です。

結局、プライマリー・バランス(借金の返済分を除いた歳出と税収とのバランス)を黒字化させようとすると、どうしても家計簿的発想にならざるをえないということです。

逆もまた真なりで、家計簿的発想だからこそ、プライマリー・バランスは常に黒字化させなければならない、という誤った思想が生まれるのです。

詰まるところ、来年度予算もまたデフレ予算(発展途上国化予算)です。