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議会報告 政治・経済

デフレ退治は誰の仕事か2017/12/12    

財務省と内閣府が行っている「法人企業景気予測調査」よれば、10-12月期の大企業の景気判断指数が2期連続でプラスになった、とのことです。

「法人企業景気予測調査」は資本金1,000万円以上の企業およそ1万6,000社が対象で、回答しているサンプル企業は基本的には大企業です。

なのでご注意を。

そのうえで中身をみてみますと、景気の見方を示す指数は、主としてスマートフォン向けの電子部品の需要が伸びていることなどから大企業でプラス6.2となり、その寄与度の大きさから2期連続でプラスということになりました。

むろん、このニュース自体が別に悪いニュースというわけではありませんが、これをもってアベノミクス(安倍政権の経済政策)が順調にいっている、みたいな世論が形成されていくのは勘弁してほしいと思います。

総体的にみますと、現在の日本では悲惨な統計のほうが圧倒的に多いのですから。

あるいは一見、見栄えのいい統計であったとしても、むしろ実体が悪いことの裏返しである場合もあります。

例えば、経済成長率。

経済成長率とは実質GDPの成長率のことを指しますが、実質GDPは内需の低迷により輸入が停滞するだけでプラスに転じる場合がありますし、物価が低迷するだけでプラスに転じるケースもあります。(統計の欠点)

現在の日本がまさにその状況です。

あるいは、下のグラフのとおり、法人企業統計で株主への配当金(当期末)総額の推移をみますと2000年以降、飛躍的に増えています。

しかしながら、一方で労働者の所定内給与総額の推移(対前年増減率)をみますと、下のグラフのとおりです。

我が国においては、1990年代以降、グローバリズム(=新自由主義=新古典派経済学)に基づく構造改革が進められたことでいわゆる株主資本主義が蔓延し、グローバル投資家やグローバル企業のための政治が優先され、国民の安全を守り、かつ国民を豊かにするための政治(経世済民)が疎かにされてきたのです。

上の二つのグラフはそのことを歴然と示しています。

一番の問題は、国(中央政府)であれ、地方行政であれ、ともに「家計簿」の発想で財政を運営していることです。

それがなぜ問題なのかといえば、そのことによって我が国は20年間にわたりデフレ経済という発展途上国化状態にあるからです。

なるべく借金をせず、なるべく歳出を増やさず、税収の範囲内で何とか乗り切りたい、というのがまさに「家計簿行政」です。

要するに「役所はおカネを使わないから、民間の皆さんがなんとかおカネを使ってください」という政治です。

通貨発行権(中央銀行による国債購入で借金を帳消しにできる権限)もない、徴税権もない、そんな民間部門にデフレ退治を期待している愚劣な政治にまこと辟易する毎日です。

デフレ退治は政治(行政)の仕事です。