〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 川崎市政

病床と財政2017/12/09    

病院の病床は、医療法によって次の5つに分類されています。

1 「精神病床」= 精神疾患を有する者を入院させるための病床

2 「感染症病床」= 新型インフルエンザ等、各種の感染症の患者を入院させるための病床

3 「結核病床」= 結核の患者を入院させるための病床

4 「療養病床」= 主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床

5 「一般病床」=  1~4以外の病床

下のグラフのとおり、病床のほとんどが「一般病床」と「療養病床」です。

そこで、首都圏(二次医療圏別)における一般病床と療養病床の稼働率をみますと下のグラフのとおりです。

病床稼働率は90%を超えていれば、ほぼフル稼働している状態です。

グラフのとおり、首都圏の療養病床はほぼフル稼働していますが、一般病床は稼働率が低くなっておりフル稼働していません。

即ち、首都圏では療養病床の不足から医療難民が発生しつつ、急性期の患者を入院させるための一般病床が余っている、という状態です。

一般病床をフル稼働させるための手っ取り早い方法は、診療報酬の引き上げです。

しかし、緊縮財政の権化であるネオリベ財務省がそれを許しません。

病院の報酬は、主に看護師の人数で変わります。

例えば、患者10人に対して看護師1人の「10対1病床」の報酬よりも、患者7人に対して看護師1人の「7対1病床」のそれを高くしています。

このように看護体制ごとに診療報酬に差をつけて以降、「7対1病床」が飛躍的に増えたのですが医療費が拡大してしまいました。

そこで厚労省は、「7対1病床」から「10対1病床」への転換を促そうとしています。

『救急・重症病床、診療報酬見直しへ 医療費削減目指す
http://www.asahi.com/articles/ASKCR41J8KCRUTFK001.html

看護師の配置が最も手厚い救急や重症患者向けの入院ベッドについて、厚生労働省は来年度の診療報酬見直しで看護師が少なくてすむベッドへの転換を促す仕組みを導入する方針を固めた。(後略)』

要するに、看護体制の質を落として医療費を削減しよう、という目論見です。

結局、財務省の緊縮財政路線というおカネの問題によって医療安全保障もまた毀損されていくわけです。

彼らは、下のような記事で「緊縮財政やむなし」という世論を形成していきます。

『「国の借金」9月末で1080兆円 国民1人あたり852万円
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL10HRI_10112017000000/

財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が9月末時点で1080兆4405億円になったと発表した。主に長期国債の残高が増えたことから6月末と比べ1兆4741億円増加し、過去最高となった。今年10月1日時点の総務省の人口推計(1億2672万人、概算値)で単純計算すると、国民1人当たり約852万円の借金を抱えていることになる。(後略)』

正しくは「国の借金」ではなく「政府の負債」ですが、その負債残高が1,000兆円を超えたところで、今は国債の40%を中央銀行(日本銀行)が保有していますので、少なくとも400兆円については政府に返済義務はありません。

なんだったらすべての国債を日銀が購入してしまえば政府の負債残高はゼロです。

政府の負債問題など、その程度の話しなのです。

それなのに…

医療の質を下げてまで財政縮減を図ろうとしているのですから、まったくもって困りものです。