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議会報告 政治・経済

有効求人倍率が増えている理由2017/12/05    

12月1日、厚生労働省から10月の「有効求人倍率」が発表されました。

有効求人倍率とは、求職者一人あたりに対し、どれだけの求人があるのかを示す雇用指標です。

有効求人倍率 = 有効求人数 ÷ 有効求職者数

有効求人倍率が「1」を上回った場合、求人が求職を上回っていることを意味します。

10月の有効求人倍率は、1.55 でした。

時系列でみると、下のグラフのとおりです。

文字どおり、うなぎ上りで増えています。

これをアベノミクス効果であることを殊更に主張するメディア、エコノミスト、学者、政治家らが跋扈しています。

アベノミクスの政策の柱は…
①金融緩和(日銀の国債購入)
②緊縮財政
③構造改革
…の三つですが、①と②と③が、どのようにして有効求人倍率の増加に結びついているのかの政策的波及経路を明確に示してくれる人は誰もいません。

示すことが不可能だからでしょうけど…

我が国では、製造業、建設業、小売り卸売業、医療福祉の4業種で雇用全体の過半数を占めています。

確かにアベノミクス以降、製造業、建設業、小売り卸売業の3業種の雇用は約20~40万人も増えました。

一方、医療福祉の分野はどのくらい増えたでしょうか?

なんと、この分野だけで100万人も増えています。

どう考えても、雇用拡大のメインは医療福祉の分野です。

これは生産年齢人口(15~64歳人口)比率の減少により少子化と高齢化が進み、医療福祉分野の需要が必然的に拡大したことの結果かと思われます。

少子高齢化による医療福祉の需要拡大が、果たしてアベノミクス効果でしょうか。

しかも、アベノミクスが始まった2012年末から直近までの就業者数をみますと、生産年齢人口の男性の就業者数は減っています。

増えているのは、女性と高齢者の就業者です。

ですが、増えているといっても、フルタイム雇用でなくパートタイムやアルバイトなどの就業形態です。

とりわけ、増えているのは65歳以上の女性の短期労働です。

結果、日本全体でみますと、就業者は増えつつも一人当たりの労働時間(正しくは「延総実労働時間」)が減っています。

即ち、フルタイムで働いていた「団塊の世代」(昭和22~24年生まれ世代)が大量に退職した後、それを多くの企業がフルタイム雇用で補うのではなく、短期労働で補ってきた、ということです。

求人が増えたところで、一人当たりの働く時間が増えなければ、給料が上がっていくはずがありません。

実質賃金が減少している理由も、そこにあります。

そこまで理解されたうえで、「求人が増えているのはアベノミクス効果だ」と言っているのでしょうか。