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議会報告 政治・経済

法人企業統計は対象サンプルに偏りがある2017/12/02    

昨日(12月1日)、財務省から法人企業統計が発表されました。

『法人企業統計 企業の設備投資4.2%増 7~9月
https://mainichi.jp/articles/20171202/k00/00m/020/096000c

財務省が1日発表した7~9月期の法人企業統計は、金融・保険業を除く全産業の設備投資が前年同期比4.2%増の10兆7920億円だった。4四半期連続の増加となる。経常利益は5.5%増の17兆8928億円だった。5四半期連続の増加で、7~9期としては過去最高を更新した。(後略)』

企業の設備投資が4.2%増え、経常利益が5四半世紀連続で増加したのは初めてのことだとか。

このような記事の書き方をされると、「やはりアベノミクスはうまくいっているのか!?」と思われるかもしれません。

残念ながら、法人企業統計は対象サンプルが大企業に偏っていますので、これをもって景気判断の材料にするのは極めて危険です。

マクロ的な指標は様々な観点から観察しなければ、実体を正しく把握することはできません。

例えば、下のグラフのとおり、我が国の財貨・サービスの輸出額と輸入額の推移をみてみます。

2014年4月に消費税が増税(5%→8%)されて以来、内需が落ち込んでモノやサービスの輸入額が減っているのが解ります。

2016年は、輸出が前年に比べて落ち込んでいるにもかかわらず、それ以上に輸入が減少したことを受けて、純輸出になっています。

ここのところのGDP成長率がプラスに転じているのは、この純輸出に支えられているのが原因です。

GDP統計上、輸出が伸びなくても輸入が減るだけで純輸出としてプラスにカウントされてしまうのです。

要するに、景気悪化による内需の落ち込みが統計的事情によりGDP成長率を押し上げている、ということです。

企業収益が増えているとはいえ、それは労働分配率を引き下げたり、、パートタイム労働者を増やしたりして、人件費を抑制してきた結果でしょうに。

あるいは下のグラフのおとり、実質賃金の低迷という犠牲の上に企業収益の増加がもたらされているとも言えます。

消費税の再増税(8%→10%)を目論んでいる人たちは、「景気は上向いている」という“増税に向けた下地”を作ろうとしています。

なので彼らは、とにかくプラス化した指標だけを羅列します。

また「景気は上向いている」という世論を形成することにより、デフレ脱却のための積極財政論を押さえつけておきたい、という狙いもあるのだと思います。