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議会報告 政治・経済

食料自給力を弱める政治にNo!2017/12/01    

本日は、食料安全保障について。

下のグラフは、我が国における1994年以降の農林水産業のGDP推移です。

まず、GDPについて簡単に解説します。

例えば、Aさんというリンゴ農家の人が100円のリンゴを一つ生産したとします。

そのリンゴをBさんという消費者が購入しました。

このとき、GDPは100円です。

誰かが生産した100円のリンゴ(付加価値)を、他の誰かが100円で購入したらGDPは100円なのです。

これがGDPです。(そんなに難しい話しではありません)

リンゴをつくったAさんの生産額は100円。

それを購入したBさんの支出額は100円。

リンゴを売ったAさんの所得額は100円。

ご覧のとおり、生産、支出、所得はすべて100円です。

これをGDPの三面(生産面・支出面・分配面)等価の原則といいます。
(※注:分配面⇒すべての所得がどのように分配されたのか、という意味で「所得面」とはいわず「分配面」といいます)

さて、その上で前述のグラフ(日本の農林水産業のGDP)をみますと、1994年には10兆円近くあったGDPが、2015年には6兆円を下回っています。

要するに、この21年間で4兆円分の生産と支出と所得が減ってしまった、ということです。

では、私たち日本国民の食べる量や木材消費量が4兆円分も減ったのでしょうか?

そうではありません。

この21年間で4兆円分の国内生産を減らし、外国からの輸入量を高めたということです。

GDPは、あくまでも国内総生産ですので輸入分は控除されます。

つまり、日本の自給力(国内生産力)が弱まった、ということ。

「でも、安いものが買えるなら、べつに外国からの輸入だっていいじゃん」と言う人もおれるでしょう。

がしかし、もしも大規模な天候不順、あるいは紛争もしくは戦争などが発生し、日本への食料輸入が滞った場合はどうするのでしょうか?

まちがいなく、多くの日本国民が飢え死にします。

食料は人間が生きる上での基本物資です。

例えば、日本の小麦の90%以上は輸入です。

そのうち約50%が米国に依存しています。

その米国が、もしも天候不順による不作に陥ったとき、自国民を飢え死にさせてまで日本に輸出してくれるでしょうか。

そんなはずがありません。

米国に限らず、どの国でもそうでしょう。

「なら不作になっていない別の国から輸入すればいいじゃん」と言う人もおられましょう。

そのとき、小麦の価格がどれくらい跳ね上がっていると思っているのか!

食料安全保障とは、そういうものです。

残念ながら現在の我が国の政治は、私たちの食料安全保障を弱体化させる方向に進んでいます。

例えば、2年前には農地法及びその関連法が改正されており、不動産ビジネスの対象として農地を宅地転用しやすくする体制が既に整っています。

関連法の一つである「農業生産法人法」の改正は、農業と無関係な株式会社が農業生産法人に49.9%まで出資することを可能にしました。

れいのごとく外資規制なし。

株式会社の特別決議には2/3の賛成が必要です。

外国資本に1/3以上の株を持たれると、事実上、その法人は外資に支配されることになります。

また、それまでの農業生産法人は「役員の過半数が農業従事者でなければならない」となっていましたが、今後は「農業従事者数は一人でも良い」となりました。

加えて、農業委員会法も改正されていて、農地の宅地転用を許可する農業委員会はこれまで農業従事者を中心に構成されていましたが、今後は農業に無関係な人たちで定数の半分を占めることが可能になります。

こうした一連の法改正により、利益の上がらない農地が不動産ビジネスの対象にされる公算が高くなりました。

ただでさえ、我が国の耕地面積比(陸地面積に対する耕地面積の比率)は諸外国と比べて低いのに…

何度でも言います。

農地が減るということは、日本の食料自給力が弱体化することを意味します。

自然、食料の輸入依存度を高めることになります。

想像してみてください。

我が国の重要なシーレーン(海上輸送路)である東シナ海、南シナ海において、ある国が臨検の名のもとに日本に向かうすべての輸送船を数か月間にわたり足止めしたらどうなるでしょうか?