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議会報告 政治・経済

増税とルサンチマン2017/11/24    

来年度税制改正での所得税増税が政府与党で議論されています。

具体的には、収入の高い会社員の給与所得控除の引き下げが来年度税制改正の大きなポイントになりそうです。

賃上げした企業や保育所を設置した企業の法人税を減税したり、事業継承した経営者の相続税・贈与税を減税したりするなどの減税策も検討されていますが、たばこ税の増税に加え、新たに観光保進税や森林環境税を創設することも検討されていますので、全体としてはまちがいなく増税になるのでしょう。

いわゆるプライマリー・バランスの黒字化を前提とした緊縮財政路線です。

財務省と自民党は、概ね年収800~1,000万円以上の会社員が増税になるような給与所得控除の引き下げを水面下で調整しているようですが、公明党はもっと過激で「年収1,000万円以上の会社員の給与所得控除をゼロにすることも選択肢の一つだ」としています。(斉藤鉄夫・公明党税制調査会長)

デフレが深刻化している中、更なる増税を前提にした財務省や与党の議論に疑問を抱かざるをえません。

大和総研の調査によれば、会社員の2011年の手取りと2017年の手取りを比較すると…
年収 300万円の会社員 ⇒ 20万円のマイナス
年収 500万円の会社員 ⇒ 26万円のマイナス
年収1,000万円の会社員 ⇒ 48万円のマイナス
※夫婦のうち一方が働き3歳以上中学生以下の子2人の家族の場合

以上のとおり、悉く減っています。

その理由を大和総研は、①消費税増税、②社会保険料の引き上げ、③子供手当が減らされてきたこと、としています。

さりとて、会社員に限らず国民が貧困化するのも当然です。

なぜなら、デフレの深刻化によって物価(インフレ率)が上がらず、その上がっていない物価にすら名目賃金の上昇が追いついていかないという事態が続いているのですから。

下のグラフのとおり、我が国はデフレに突入して以来、実質賃金が一貫して下がり続けています。

グラフを見てのとおり、1996年のピークから比べると2016年までに何と15ポイントも下がっています。

凄まじい貧困化です。

それでも「貧困化を克服しよう!」という政党が出てこないのですから、ある種、日本国民って異常なほどに我慢強いですね。

デフレが深刻化すると、国民の中にルサンチマン(社会に対する鬱屈とした嫉妬)が蓄積されていきます。

「もっと金持ちから税金を獲れ…」みたいな。

財務省や与党は、そのルサンチマンを利用することで高収入の会社員を狙い撃ちしているわけです。

結局、我が国の政治家や官僚たちの多くが、プライマリー・バランスを黒字化することで常におカネを借金返済に回さなければならない、という家計簿ポリティクスに陥っていることが致命的です。

増税(政府財政の黒字化)は、実体経済から貨幣を回収することになります。

実体経済から貨幣が回収されるということは貨幣が不足するということになりますので、更なる貨幣価値の上昇(=物価の下落)を招きます。

貨幣価値の上昇 = 物価下落 = デフレ化…です。

物価の下落 ⇒ 所得の縮小 ⇒ 税収の不足 ⇒ 緊縮財政 ⇒ 増税 ⇒ 物価の下落というバカげたサイクルをいつまで続ける気なのでしょうか。

財政支出の拡大 ⇒ 需要不足の解消 ⇒ GDPの拡大 ⇒ 物価の上昇 ⇒ 所得の上昇 ⇒ 税収の増加 ⇒ 政府負債対GDP比の低下、即ち財政再建の実現!

これを実現してくれる政権(政党)が欲しい。