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議会報告 政治・経済

もしも減反政策を廃止するのであれば…2017/11/21    

穀物の自給力(自給率)を高めることは、食料安全保障の基本です。

残念ながら、我が国の穀物自給率は28%という低水準です。

例え米の自給率が98%あったとしても、小麦、大豆、トウモロコシなど米以外の穀物輸入が途絶えたら、まちがいなく日本国民の半分以上が飢えることになります。

戦後の日本は、米からパンへ、そしてパンのおかずとして畜産物の需要が拡大するなど、食生活の変化が進みました。

その代替穀物を主としてアメリカから輸入する形で穀物自給率を引き下げてきたわけです。

それでもかろうじて、関税によって米の自給率だけはほぼ100%を確保してきました。

しかし、価格の維持の仕方が悪かった。

いわゆる「減反政策」です。

減反政策は、米の値崩れを防ぐための生産調整です。

政府が米作農家に対して作付け面積の削減を要求してきたために、「減反」の名前がつきました。

結果、下のグラフのとおり、我が国の米の作付け面積は1969年をピークに縮小しつづけてきました。

本来は、減反政策によって価格を維持するのではなく、余剰米をすべて政府が買い上げ発展途上国等に無償援助するなどのかたちで、なんとしても作付け面積と生産量を維持すべきだったと思います。

米の自給率を300%程度にしておけば、米以外の穀物自給率が低くとも、有事の際にはかろうじて国民の飢えをしのぐことができるでしょう。

その減反政策が来年から廃止されることになりました。

この期に及んでの減反政策の廃止で、供給過剰による米の値崩れが懸念されます。

米の値崩れが起きるとどうなるでしょうか。

むろん米作農家が廃業していくことになりますので、我が国の米の生産量(自給率)は激減し、食料安全保障が損なわれることになります。

このままいくと、いずれ「米の関税率も引き下げろ」という話しになっていくことが予想されます。

もしそうなると、益々もって耕作放棄地が増えていくことになるでしょう。

下のグラフのとおり、ここ数年、ただでさえ耕筰放棄地が増えています。

昨年、国会では「農業委員会法」が改正されており、農地を不動産ビジネスに転用し易くするための素地が既に出来上がっています。

我が国の政治は今、国民生活の安全を守ることよりも外資を含めたビジネス(株主利益)のほうを優先しています。

いわゆる「ネオリベ構造改革」の名のもとに…

食料、医療、介護、エネルギー、教育、治安、国防、公共インフラ、これらはすべて自由な競争市場に委ねてはならない安全保障分野です。

今もしも減反政策を廃止するのであれば、余剰米をすべて政府が買い取ってでも米の価格を保ちつつ、生産量(自給率)の維持と向上を図るべきです。

とはいえ、政府が「プライマリー・バランスの単年度黒字化」という愚かな目標を掲げている以上、それも不可能か!