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議会報告 川崎市政

水道事業の民営化という愚2017/11/20    

去る通常国会で、水道事業の民営化を目的とした「水道法の一部を改正する法律案」(以下、「改正水道法」)が内閣から提出されました。

通常国会では審議未了となり、現在では継続審議扱いになっています。

この日本には、あくまでも水道事業を民営化することで利益を得たい連中が蠢いています。

あの小泉内閣が進めたネオリベ構造改革によって、もう既に我が国では自治体が水道施設の運用や維持管理業務を民間に委託できるようになっています。

民間に委託できるとはいっても、現在はあくまでも運用や維持管理業務までです。

とにかく小泉政権時代は「民間にできることは民間に」が流行り言葉でした。

ところが、いま国会に提出されている改正水道法が成立すると、水道料金の設定権や利益を収受する運営権までもが、いわば包括的に民間企業へ委託できるようになります。

つまり、完全民営化です。

過日に開催された、川崎市議会の環境委員会でも申し上げましたが、もしも各自治体が水道事業を民営化したらどうなるか…

水道事業が民営化されたからといって、各世帯の水道使用量が日に日に増えていくわけではありません。

そりゃぁ、そうですよね。

「水道事業が民営化されたから、今日から我が家はお水を2倍使おう」なんていう世帯はないはずです。

例えば、下のグラフのとおり川崎市の配水総量をみますと、ここ数年の市内人口は増えているにも関わらず、配水量はむしろ年々減っています。

この状況下で利益の最大化を目的とする民間事業者に水道事業を包括的に委ねた場合、需要の拡大によって利益を上げることはほぼ不可能です。

なので民間事業者は、水道料金を引き上げるか、もしくは料金をそのままにして人件費やメンテナンス料などのコストカットで利益確保を図るかのいずれかです。

とはいえ、市民からの反発を招く水道料金の引き上げを選択することは事実上不可能でしょう。

料金を据え置きコストカットによって利益確保を図る場合、まずは正規の職員を非正規や派遣社員やパートタイムに随時切り替えていくことになります。

メンテナンスについても、点検回数を減らし点検内容も大幅に簡素化する。

カネのかかる施設更新はなるべく引き延ばされ、更新したとしても安全面の確保よりコストの削減が優先される。

これらを「サービスの低下」と言わず、なんと言うのでしょうか。

民間事業者は、事業を請け負った以上は必ず利益を上げて株主様にそれを還元しなければなりません。

彼らにとっては、川崎市民よりも株主様のほうが大事なのです。

民間事業者は首尾よく利益を上げることができれば、即撤退。

後始末はどうなろうとお構いなし。

その時、人材・施設・技術ともにボロボロになってしまった水道事業を新たに引き受けてくれる民間事業者など果たしてあるのでしょうか。

そのような事態になってから、やっぱり水道事業は公的機関がやらなきゃ、と言ったところで時すでに遅しです。

いったん失わた人材・施設・技術をとり戻すには、長い年月とそれなりのコストがかかります。

要するに「民間にできないものまでを民間に」してはならないのです。

水は、国民の食料安全保障の一つであり、安全保障分野こそは「民間にはできないもの」そのものです。