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議会報告 政治・経済

デフレ脱却のための4指標2017/11/12    

9月10日の金曜日、希望の党の共同代表選挙が実施され、玉木雄一郎元民進党幹事長代理が初代共同代表に選出されました。

共同代表選では憲法改正、安保法制、野党共闘の在り方などが主な争点になったようですが、目下、我が国の最重要課題であるデフレの「デ」の字も触れられなかったのは誠に残念です。

おそらくは、デフレ経済が我が国を小国化(発展途上国化)させているという認識をお持ちになっておられないのでしょう。

未だ冷戦時代の改憲論や安保論に終始している点で、まったく「希望」を感じえない。

総選挙の際の公約をみても、この党の政策はなんちゃら維新の会とほぼ同じで、希望の党はなんちゃら維新の東京版とさえ揶揄されていました。

要するにグローバリズム政党です。

今や世界のあちこちで、globalization backlash(グローバル化の逆流)現象が顕著になっているというのに…

さて安倍政権は、失業率、有効求人倍率、就業者数、実質GDP成長率を引き合いにだして、景気は着実に上向いている(もはやデフレではない)、としています。

しかしながら、失業率と有効求人倍率と就業者数の改善は、たんに生産年齢人口(15~64歳人口)比率が低下していることの結果であり景気の良し悪しとは関係なし。

実質GDPの成長率は、物価が下落しGDPデフレーターがマイナスに転じると、計算上どうしてもプラスに転じてしまうという統計的な欠点があります。

もしも物価、名目GDP、実質GDPがそれぞれ継続的に上昇しているのであれば「デフレを脱却した」と言ってもいいでしょうけど、現実はそうではありません。

そこで改めて、政府が重要視しているデフレ脱却の4指標(①消費者物価指数、②GDPデフレーター、③単位労働コスト、④GDPギャップ)を見てみましょう。

まず、9月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合は0.7%(前年同月比)、生鮮食品及びエネルギーを除いた総合は0.2%(前年同月比)、生鮮食品(酒類を除く)及びエネルギーを除いた総合は0%(前年同月比)でした。

生鮮食品を除く総合が0.7%になったのは、エネルギー価格が含まれているためでしょう。

ご承知のとおり、サウジアラビアの政情不安で原油価格は高騰しています。

なのでエネルギーを除くとほぼ消費者物価の上昇率はほぼゼロ%です。

いずれにしても、日銀がターゲット(目標)にしている2%には遠く及ばず。

次いで、GDPデフレーターは、第二四半期(4-6月)は0.1%となり、やっとプラスに転じてはいるもののマイナス基調に変わりなし。

次いで、単位労働コスト(名目雇用者報酬 ÷ 実質GDP)は、下のグラフのとおり、官民投資が抑制されている一方で下降したままです。

最後に、GDPギャップ(総需要 – 総供給)ですが、内閣府の発表するGDPギャップをグラフにすると、下のグラフのとおりです。

内閣府の発表するGDPギャップについては、注意が必要です。

上のグラフにも記載しましたが、内閣府が発表するGDPギャップは「現在の総需要 – 現在の総供給」ではなく、「現在の総需要 – 過去平均の総供給」です。

過去の総供給の平均ですので、過去の実績が低ければ低いほど平均値は下がります。

我が国は1998年以降、内需(国内需要)低迷のデフレ経済が続いています。

むろん、需要がなければ供給は増えない。

その増えない供給の平均値ですので、自然、過去の総供給の平均は年々減少していきます。

なので内閣府が発表するように「現在の総需要 – 過去平均の総供給」というGDPギャップを算出していくと、結果、総需要が低迷しつつも総供給が増えない形で「総需要 > 総供給」ということになります。

つまり、実体経済は総需要が不足する紛れもないデフレなのに、統計上はインフレギャップが発生している、ということになります。

本来のGDPギャップは、「現在の総需要 – 現在の総供給」でなければなりません。

これを「現在の総需要 – 過去平均の総供給」という定義に変更したのは、彼の有名な竹中平蔵氏です。

どうして変更したのか?

それはGDPギャップ(デフレギャップ)を小さく見せることで「既に需要は充たされている。だから財政出動は必要ないでしょ…」と言いたいからです。

本来のGDPギャップである「現在の総需要 – 現在の総供給」で算出すると、実際のGDPギャップ(デフレギャップ)は10~15兆円とされています。

ところが、これが竹中指標だとインフレギャップ(総需要>総供給)と分析されてしまうのですから困ったものです。

政府が重視するデフレ脱却のための4指標を好転させる政策は、たった一つです。

政府による財政支出の拡大です。

この世には、デフレを脱却されると都合の悪い人たちがいて、そういう人たちが政商として政府に潜りんでは政策を歪め、国民経済を貧困化させ日本を小国化させているのです。