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議会報告 川崎市政

行政による貨幣の放出2017/11/08    

原油価格が上昇しています。

昨日(7日)の中東産ドバイ原油価格は、1バレル=60.60ドル前後で推移し大台の60ドルを上回りました。

WTI原油価格は57ドル前後で推移していますが、下のグラフのとおり鰻登りで上昇しています。

原油価格上昇の原因は、主としてサウジアラビアの政情不安です。

サウジアラビアでは5日、マンスール・ビン・ムクリン王子とアシール州の高官数人を乗せたヘリコプターが墜落しました。

また、同じ日に、王子11人と現職・元職あわせて数人の大臣が逮捕されています。

サルマン国王は大規模な汚職対策を断行すると宣言しており、日本経済新聞によれば、逮捕された中には、アルワリード・ビン・タラール王子(世界で最も裕福な人物の一人と言われています)も含まれているのだとか。

サウジアラビア政府が王子や現職閣僚を一斉に逮捕したことを受け、そのことが今後の原油供給に大きな影響を与えるであろうという懸念が、今回の原油価格上昇の主たる要因です。

一方、11月初めにロイター通信が、関係者の話として「サウジアラビアが事実上の盟主である石油輸出国機構(OPEC)が石油の減産合意を2018年末まで延長する見通しである」と伝えていたことも、原油価格の上昇に拍車をかけているようです。

さて、日本への影響はどうでしょう。

ご承知のとおり、我が国のエネルギー自給率はたったの6%です。

よって、原油の高値が続くと、我が国の貿易黒字が赤字に転換してしまう可能性があります。

そしてマクロ経済的には、「貿易赤字は需要の減少」を意味しますので、むろんデフレ圧力になります。

ただでさえ、デフレ経済(需要縮小)で苦しんでいるのに…

また、原油の輸入価格が上昇すると、当然のことながら国内物価(インフレ率)も上がります。

その物価の上昇速度に、賃金の上昇が追いついていかいないと実質賃金が低下します。

実質賃金の低下、即ち国民の貧困化です。

これがまたデフレを深化させます。

因みに、昨日(7日)、厚生労働省から9月の実質賃金(速報値)が発表されましたが、現金給与総額が対前年比▲0.1%、きまって支給する給与が▲0.3%となり下がり続けています。

よく考えてみれば、政府及び川崎市をはじめとする全国の自治体が緊縮財政という「貨幣の回収政策」を採用しているのですから、ますますデフレ化して当然です。

デフレとは、総需要という貨幣(アクティブ・マネー)の不足現象です。

なので日本には今、行政による「貨幣の回収政策」ではなく、行政による「貨幣の放出政策」が求められています。

即ち、財政支出の拡大です。

サウジアラビアの政情不安はあくまでも外的要因であり、日本がどうにかしようにも手の施しようがありませんが、国内のデフレ経済は完全なる内的要因です。

我が国が主体性をもって解決することのできる問題なのです。