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議会報告 政治・経済

カタルーニャ州の独立運動とは2017/10/28    

スペイン中央政府は、カタルーニャ州議会による独立宣言を受けて、州の自治権を停止するなどの措置をとりました。

『スペイン、カタルーニャ州首相を解任 12月に州議会選
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22842580Y7A021C1NNE000/

スペイン北東部カタルーニャ州の独立問題で、中央政府のラホイ首相は27日、自治権停止措置の一環として12月21日に州議会選挙を強制的に実施すると発表した。プチデモン州首相や州政府の閣僚を解任した。州政府や独立派市民は抵抗する構えで、中央政府との衝突の恐れもある。(後略)』

カタルーニャ州議会は、スペインからの独立を宣言する議案を賛成多数で可決しました。

カタルーニャ州のプチデモン首相は「待ち望んできた一歩を踏み出した」と述べ、あくまでもスペインからの独立を目指しているようです。

これに対してスペイン中央政府は緊急閣議を開き、議会上院での承認を受け、憲法に基づいてカタルーニャ州の自治権を停止したとのことです。

なお、スペイン中央政府はプチデモン首相のほか州政府の幹部を更迭し、中央政府の閣僚がその役割を担うなど、中央政府が直接統治に乗り出すことを決定しました。

1978年に制定した現行憲法以降、スペインが特定の州の自治権を停止するのは初めてのことです。

10月1日にカタルーニャの独立の是非を問う住民投票が実施されましたが、その投票率はなんと40%でした。

独立賛成票が90%を占めたとはいえ、全体としてみれば独立を支持しているのは36%程度ということになります。

それに、この住民投票は憲法裁判所の違憲判断を無視して州政府が強行したため、反独立派が投票をボイコットしたのだとか。

それより驚かされたのは、選挙管理委員会や選挙監視団がないまま州政府が開票集計したため、その正当性が疑問視されています。

一方、カタルーニャ州のプチデモン首相は独立国家の樹立を目指していますが、スペインから独立しても、結局は独立国家カタルーニャとして「EUに加入する」ことを表明しています。

もっとも、トゥスクEU大統領はカタルーニャを独立国とは認めないとしていますので、結局は無理でしょうけど。

興味深いのは、カタルーニャ州が「独立してEUに加盟したい」と言ってる点です。

つまり、今起こっているカタルーニャ州の独立運動は、ブレグジットのような反グローバリズム(健全なるナショナリズム)に基づいた政治運動ではなく、むしろ健全なるナショナリズムの喪失、あるいはグローバリズムへの信奉にあるということです。

EU(ユーロ・グローバリズム)の究極の理想は国民主権の解体です。

国民主権が解体されグローバリズムに組み込まれると、例えばギリシャのような負け組国家は永遠に負け組となってギリシャ国民は貧困化から脱することができません。

要するに、ユーロ・グローバリズムとは、加盟国の国民主権を解体し「国」を「州」に変えてしまうことを理想とするシステムです。

例えばドイツはドイツ州、フランスはフランス州、ギリシャはギリシャ州のように。

そのうえで、州ごとに競争せよ、ということです。

そうすると、当然のことながら「勝ち組州」と「負け組州」に分断されていきます。

その時、ギリシャ州の経済再生のためにドイツ州のカネが使われることにドイツ州の市民は理解を示すでしょうか。

あるいは負け組州となったギリシャ州の防災インフラを整備強化するために、他のEU市民は同朋意識をもって十分なるカネ、ヒト、モノを提供してくれるでしょうか。

答えは「No!」です。

実際、それができなかったからこそ、ギリシャはデフォルトに追い込まれたのです。

希望の党や何とか維新が提唱している「道州制」とは、そういう制度です。

日本をいくつかの道州に分割し「さぁ競争しろ!」という具合に。

そもそも国家の安全保障や社会保障が成立するためには、国民としての一体感、連帯感、同朋意識が必要です。

例えば、自然災害によって被災した東北地方や熊本県に対し、復旧復興のための費用を政府を通じて国民全体で負担できるのも、同じ日本国民として一体感、連帯感、同朋意識を共有しているからです。

この一体感、連帯感、同朋意識のことをナショナリズムといいます。

カタルーニャ州の独立を支持している人たちにとっては、カタルーニャ州から上がる税金が他のスペイン地域のために使われることが許せないのです。

なぜなら、彼ら彼女らにはスペイン国民としてナショナリズムが希薄だからです。

しばしば日本でも「我が自治体を中央政府から独立させよう」とか、「道州として独立しよう」とか言うオッチョコチョイな首長や議員がいます。

こういう人たちは「困ったときはお互い様」とか、「困ったときはみんなで助け合おう」など、普通の日本国民であれば誰でもっている「助け合いの精神」(健全なるナショナリズム)が欠如した人たちです。