〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 川崎市政

経済財政家計簿会議2017/10/27    

昨日(10月26日)、あの「経済財政諮問会議」が開催されました。

経済財政諮問会議とは、 内閣総理大臣の諮問に応じて、日本政府の①経済全般の運営の基本方針、②財政運営の基本方針、 ③予算編成の基本方針、及びその他の経済財政政策に関する重要事項について調査審議するため、法律に基づいて内閣府に設置された合議制機関です。

因みに、そのメンバーは安倍総理のほか、以下10名です。
麻生 太郎 副総理 兼 財務大臣
菅 義偉 内閣官房長官
茂木 敏充 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 兼 経済再生担当大臣
野田 聖子 総務大臣
世耕 弘成 経済産業大臣
黒田 東彦 日本銀行総裁
伊藤 元重 学習院大学国際社会科学部教授
榊原 定征 東レ株式会社 相談役
高橋 進 日本総合研究所理事長
新浪 剛史 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長

うち、伊藤榊原高橋新浪氏の4名が、いわゆる「民間議員」です。

民間議員と言っても、べつに国民から選挙で選ばれているわけではありません。

総理及び内閣府が恣意的に選んでいるだけです。

そのいわゆる「民間議員」たちが昨日の会議で「財政健全化に向けて社会保障改革への取組が極めて重要だ」という意見を述べたようです。(内閣府)

要するに「財政を健全化させるために社会保障関連の歳出をカットせよ」ということです。

報道によると、来年度の診療報酬と介護報酬の改定は、引き下げがほぼ確実のようです。

いわゆる「民間議員」らの言う「財政健全化」とは、「単年度のPB黒字化」のことを指しています。
※PB = プライマリー・バランス(基礎的財政収支)
基礎的財政収支=借金返済分を除いた歳出と税収との収支バランス

また、安倍総理も「PB黒字化の達成時期を示さなければならない」「その裏付けとなる歳出改革の具体的な計画を併せて示す必要がある」とも述べています。

総理の言う「歳出改革」とは、まさに歳出削減(緊縮財政)のことです。

総理も、いわゆる「民間議員」も、ていうか経済財政諮問会議の全メンバーは、詰まるところ“家計簿”程度の発想しか持ち合わせていない、ということです。

今年から教育費などの出費が増えたので、その分、お父さんの交際費はカット、というのが家計簿の定石かと思われます。

むろん、家計簿はこれで良いと思います。

政府、企業、家計という経済主体のなかで、最も経済基盤の脆弱な家計が収支を常にバランスさせようとするのは当然です。

しかしながら、そうした家計簿と同じ発想で国家財政を運営されてしまったら、私たち日本国民の所得は一向に増えず、安全なる国民生活だって毀損されるばかりです。

中央政府であれ、地方行政であれ、行政が施すサービスのほとんどが安全保障に関わるものです。

安全保障とは何も国防だけではありません。

インフラ整備、防災、防犯、医療、介護、教育、そのほかエネルギーの安定供給や食の安全確保なども立派な安全保障です。

こうした私たち日本国民の様々な生活安全保障を確立するために国や地方行政は財政を運営しています。

そして私たち日本国民は、その安全保障料として税金を払っています。

とはいえ、ここが重要な点ですが、行政はこれら安全保障サービスのすべてを税金で賄っているわけでありません。

特に、道路や橋や堤防や公立病院など、将来にわたって国民生活に便益をもたらすものについては、起債によって財源を確保しています。

例えば、川崎市が10億円の道路を整備するにあたっては、9億5千万円が起債発行(国と市の折半)で、残りの5千万円が市の一般財源(税金)です。

「でも、起債したって結局は税金で返済するんでしょ?」と思われるでしょうが、行政の場合、そのほとんどが借換えです。

最近では家計の住宅ローンにおいても借換えができるようになりましたが、永遠にはできないはずです。

ここが行政と家計との決定的な違いです。

家計には予算制約式といって借入主の命には寿命という制約がありますが、永久に存続する法人としての行政には予算制約式が当てはまりません。

だから借換えの連続が可能なのです。

これをゴーイング・コンサーンといいます。

下のグラフは、川崎市の市債償還額と償還額に占める「借換債」の推移です。

加えて地方行政には、家計にはない「徴税権」という虎の子があります。

例えば、起債して産業インフラ等を整備すれば、経済活動(国民の所得創出活動)が活性化されて税収は自然増になります。(税収増と増税はちがいます)

それに、くどいようですが行政の起債は借換えが可能です。

だからこそ、家計簿の発想で行政を運営してはならないのです。

中央政府も同様で、毎年、約100兆円の借換えが計上されています。(特別会計)

なお中央政府の場合、借換えや徴税権に加え、まさに伝家の宝刀である「通貨発行権」があります。

通貨発行権がある…ということは、中央政府や地方行政が自国通貨建てで起債しているかぎり、その債券を中央銀行たる日本銀行が購入することができます。

そのとき連結決算によって、日銀の債権と政府の債務は相殺される、ということです。

実際、日本銀行(中央銀行)による量的緩和(国債購入)によって、政府負債は急速に縮小しています。

このような国家が、財政破綻(債務不履行)するリスクはゼロです。

経済財政諮問会議のメンバーすべてが、この事実を知らないようです。

そもそも、私たち日本国民が必要としている様々な生活安全保障を毀損して、単年度の収支を黒字化させたところで何の意味があるのか。

現在は、需要不足と物価下落と賃金下落が相乗的に縮小しているデフレ経済です。

要するに、日本のおける投資と消費の絶対的な不足です。

この事態を払拭するには、つまりデフレギャップ(需要不足)を埋めるためには、誰かがおカネを借りて支出(投資・消費)する必要があります。

誰かって誰?

それは、ゴーイング・コンサーンとしての日本最大の法人です。

ゴーイング・コンサーンとしての日本最大の法人とは…何でしょう?

このブログを、ご愛読下さっている皆さまにはもはや愚問ですね。

経済財政諮問会議が言っているようなことをやっているかぎり、我が国は一向にデフレから脱却することはできません。

デフレが続くかぎり、国民総体としての貧困化、日本の小国化は止まりません。

総理に提言します。

この会議は、「経済財政家計簿会議」に名前を変えることを…