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議会報告 川崎市政

アベノミクスは信認されたのか!?2017/10/23    

昨日(10月22日)開票された第48回衆院選は、与党が総定数465のうち3分の2にあたる310以上の議席を獲得し、希望は失速、立憲民主は棚ぼた的に躍進するという、概ね予想どおりの結果で終わりました。

誠に残念だったのは、アベノミクスや財政問題、とりわけ日本財政破綻論のウソ、消費税再増税の愚策、プライマリー・バランス(基礎的財政収支)目標凍結の必要性、国民を貧困化させているデフレの深刻化などなど、我が国を小国化させている目下の政治課題の真実が今回の選挙戦を通じて一つも明らかにされなかったことです。

私は、これら現今政治の根本問題が今回の選挙戦で争点化されることを切に望んでいたのですが…

選挙結果を俯瞰しますと、日本の有権者は総体として「現状維持」を選択したのだと思います。

例えば、アベノミクスという現政権の経済政策を、いったいどのように評価すべきかよく解らなかった、というのが多くの有権者の本音だったのではないでしょうか。

つまりは「確かに株価は上がっているし、各種の経済指標もいいと聞いている、それに失業率は下がり就業者は増えている…でも、自分がアベノミクスの恩恵を受けているとはとうてい思えない」と。

あるいは、支持政党をもたない、いわゆる無党派層と呼ばれる有権者の皆さんの投票行動はおそらく次のようなものではなかったでしょうか。

「何となくイメージの悪い希望の党には入れたくない、といって自民党にも入れたくない」と思われた有権者は立憲民主党か共産党に投票し、あるいは「ろくな選択肢もないし、とりあえずは現状維持でいいや」と思われた有権者は自民党に投票、てな具合かと。

あとは政党や政策というより、候補者個人のパーソナリティをみて投票されたのだと思います。

さて、政府が国民を騙すのは簡単です。

例えば経済政策などは、直近で改善している統計だけをマスコミを巻き込んで大々的に喧伝していけばいいだけの話しです。

もともと統計は万能なものではありません。

様々な統計を総合的かつ相対的に観察・分析することで正しい現状認識がみえてくるものだと思います。

少なくとも、良い数字(統計)だけを殊更にクローズアップさせ世論を誘導するのは悪質な政治手法です。

本来、それをチェックし監視するのが議会でありメディアであると思うのですが、今の日本では機能不全。

安倍政権が国民を騙しやすい数字として活用する典型なものが「株価」です。

「アベノミクスで株価は上がっている!?」

でもその真実は、アベノミクス効果などではなく、たんに日銀の量的緩和の影響で株価が上がっているだけです。(ただし、日銀による量的緩和はアベノミクスの第一の矢でしたので、その意味ではアベノミクス効果の一つなのかもしれません)

とはいえアベノミクスは、日銀の量的緩和以外は何もしていません。

日銀の量的緩和だけで株価が上昇する政策的波及経路は次のとおりです。

日銀が市中の国債を購入する⇒日銀が国債を購入すると通貨が発行される⇒通貨が発行されると円安になる⇒円安になると割安感を抱いた外国人投資家が円を買って株を買う⇒株価上昇

日本の株式市場は、その約7割が外国人投資家によって取引されています。

なので外国人投資家の取引によって、ほぼ株価が決まります。

つまり、為替相場によって株価が決定するわけです。

しかも株価が上がったところで、それで儲けた人たちが消費や投資という形で需要してくれなければ、実体経済(GDP)には何ら影響しません。

そもそも株式市場は相対取引なので、儲けた人がいれば、その一方で損した人もいるわけです。

実体経済(GDP)が成長したことの結果として株価が上昇していくのであれば、それはそれで正しい姿です。

また実体経済(GDP)と言っても、GDPには名目(金額)と実質(数量)があり、現在のようにどんなに実質GDPが成長しても、名目GDPがマイナスであれば不景気(デフレ)です。

今の日本はまさにそれで、実質GDPの成長だけが殊更に喧伝されて、アベノミクスがうまくいっているようにイメージ捜査されています。

因みに名目GDPが成長しないと税収は増えません。

税収は名目GDPに比例します。

税収 = 名目GDP × 税率

失業率や有効求人倍率などの雇用関連統計が改善しているのは、アベノミクスや景気とは関係なく、単に生産年齢人口(15~64歳人口)の減少により人手不足が生じているに過ぎません。

雇用関連の統計が改善されているにも関わらず、実質賃金が一向に上がっていない日本経済の現実を無視してはなりません。

実質賃金が上昇していない、ということは国民の貧困化を意味しています。

どんなに株価が上がり失業率が下がっても、実質賃金が一向に上がっていない現状は、現在の我が国の経済政策(アベノミクス)が誤っていることを示しています。

とはいえ、今回の選挙結果によって、アベノミクス(現今の経済政策)は継続されることになります。

それでも私は、愚直に訴え続けていきたく存じます。

アベノミクスという史上空前の緊縮財政が継続されるかぎり、川崎市のインフラは一向に強靭化されず、福祉水準の向上もままならなくなりますので…やむをえません。