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議会報告 政治・経済

2カ月連続「増」は、3カ月連続「減」の反動!?2017/10/11    

本日(10月11日)、内閣府から8月の機械受注統計が発表されました。

代表的な指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月と比べて3.4%増の8824億円となり、これにより2カ月連続で増加したことになるのですが、案の定、メディア的にはそこだけが殊更にピックアップされています。

『8月の機械受注3.4%増、製造業上向く 判断「持ち直し」に
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL11H7M_R11C17A0000000/?dg=1&nf=1

内閣府が11日発表した8月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月と比べ3.4%増の8824億円と2カ月連続で増加した。金額は2016年7月以来の高水準。(後略)』

記事では「2016年7月以来の高水準!」とありますが、なんで比較対象が2016年7月なのか?

どうせ比較するなら、せめてリーマン・ショック以前と比べてほしい。

そこで、下のグラフのとおり、リーマン・ショック以前以降の「船舶・電力を除く民需」の受注額を時系列で見てみましょう。

リーマン・ショック以前(2007~2008年)は、1兆円を超えた月もあったのですね。

このように時系列で見ますと、機械受注は未だリーマン・ショック以前の水準には達しておりません。

しかも今回、幸いにして2カ月連続でプラスになったのは、3カ月連続で落ち込んだことの反動ではないのか。

むろん、機械受注が2カ月連続で増えたことは結構なことで、そこに水を差すつもりはありませんが、統計は時系列、かつ相対値で観察することが重要です。

あるいは、生産年齢人口(15~64歳人口)比率の低下に伴う人手不足状況から、製造業を中心に人手不足を補うための設備投資の動きが活発化してきたのかもしれません。

それはそれで良い方向だと思います。

とはいえ「2カ月連続でプラスだからアベノミクスはうまくいっている」と言って、デフレ対策(政府支出の拡大)が蔑ろにされるのは困ります。

機会受注が2カ月連続でプラス化したというのは一つの指標の循環的変化です。

引き続き、実質賃金、実質消費支出、デフレーター(インフレ率)、名目GDP等々の指標が長期的に低迷している「デフレ経済」という現状に何ら変化はありません。

昨日(10月10日)のブログでも申し上げましたとおり、1990年代からはじまった、我が国におけるグローバリズム経済(株主資本主義)化とデフレの長期化によって、我が国においても女性パートタイム労働者の比率は増え続けてきました。

加えて、女性パートタイム労働者の総実労働時間の推移を見てみますと、下のグラフのとおり減っています。

総実労働時間とは、労働者一人当たりの月平均の労働時間のことです。

パートタイム労働者数の比率は増えているのに、パートタイム労働者一人当たりの労働時間は減っている。

なお、男女を含めた産業全体でみますと、1997年の総実労働時間は約157時間ありましたが、やがて下がり続け、 2015年にはついに143.8時間にまで減ってしまいました。

なぜか?

それは、短時間労働が増えているからです。

即ち、それまでフルタイムで働いていた人の仕事を、男女を含む低賃金のパートタイマーで分け合ってシェアリングしている、ということです。

これでは、実質賃金や実質消費支出が下がり続け、国民が貧困化するのも当然ですね。

国民を貧困化させているのは、ネオリベが言うような規制や財政赤字ではありません。

たんにデフレと株主資本主義です。

であるからこそ、まずはデフレを脱却することが求められています。

くどいようですが、政府支出を拡大しない限り、絶対にデフレを脱却することはできません。