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議会報告 政治・経済

ベーシックインカムとは2017/10/08    

今朝の報道番組で、各党代表らによるプチ討論会を拝聴しました。

議題の一つに、希望の党が公約に掲げている「ベーシックインカム」がありました。

ところが、安倍総理を含む各党の代表らをはじめ、司会者や解説者に至る誰一人として、ベーシックインカムを正しく理解されておられる人がいなかったことに驚かされました。

更に衝撃的だったのは、提唱している張本人・小池代表自身が全く理解されていなかったことです。

他者はともかく、せめて提唱する張本人ぐらいはちゃんと理解してから公約にしてほしかったと思います。

希望の党の公約には、「ベーシックインカム導入により低所得層の可処分所得を増やす」となっているのですが、とりあえず突っ込みを入れておきますが、低所得者の可処分所得を増やしたいのであれば、デフレを脱却し実質賃金を引き上げることに尽きます。

ベーシックインカムなど関係ありません。

今朝の小池代表の発言を聞いた限りでは、どうやら小池代表はベーシックインカムを「生活保護費にかわる新たな社会保障制度」と位置付けておられるようです。

公約の文章と比較して、だいぶニュアンスが異なっているあたりが理解されていないことの証でしょうか。

番組では司会者の一人が「そのための財源を確保しようとすると大きな政府になってしまうのでは?」と小池代表にピンボケな質問をしていました。

それに対して小池代表は「それは制度設計によります」と、これまたピンボケな返答でお茶を濁して逃げました。

詰まるところ、質問した司会者も、逃げた小池代表も「ベーシックインカムは政府を大きくするもの」と考えておられるようですが、そもそもベーシックインカムは政府を大きくするどころか、政府を究極的に小さくするための政策です。

因みに、ベーシックインカムの生みの親は、ネオリベの祖であるミルトン・フリードマン氏です。

驚くなかれ、彼の言うベーシックインカムとは、既存の公的年金、失業手当、生活保護、公的医療保険などなど、今ある社会保障制度の一切を廃止し、高所得者層から低所得者層に所得の一部を機械的に移転させ、生き延びるために必要最低限度の所得だけを保障します、という制度です。

そうすれば結果として、社会保障の支出が削減できるでしょ…、つまりは「小さな政府」ができるでしょ…とミルトン・フリードマンは言うのです。

要するに、国民が病気になろうが、要介護になろうが、失業しようが、定年退職しようが、国家は一切の面倒をみない。

そのかわり、金持ちの一部のカネを低所得者に一律最低限度で配ってあげます。(あとは自己責任で…)

これが、ベーシックインカムです。

小池代表が言うような「生活保護に代わる新たな社会保障制度」などと言える代物ではないのです。

低所得者層は所得税を払うのではなく「貰う」ことになるため、ベーシックインカムを「負の所得税」などと呼んだりもします。

こうした政策的本質を知らない人は「働かなくても一定のおカネが貰えるのならいいじゃん」などと言って賛同するのかもしれませんが、ベーシックインカムは地震などの自然災害、テロや紛争などの治安事態、あるいは疫病の流行や国際的な金融危機などなど、国家が重大な危機に直面しても、すべては自己責任、即ち政府による一切の援助も救済も期待できないという制度なのです。

なにしろ、ネオリベや新自由主義は、安全保障上の危機など全く想定していない思想であり学門なのです。