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議会報告 川崎市政

経済や資本主義にとって絶対に必要なモノ2017/10/06    

いよいよ衆議院総選挙が10月10日に公示されますが、その2日前の10月8日からは川崎市長選挙が先に告示されます。(投票日は同じ10月22日の日曜日です)

私の地元では、まだ告示前であるにも関わらず、街宣車を回し候補予定者の名前を連呼しているケースもみられます。

あまりお行儀の良いことではありませんね。

街宣車を回すことは道路使用許可を取得すれば法律で認められていることなので、それはそれで結構なことですが、名前の連呼は公職選挙法で禁止されている事前運動にあたります。

150万市民を代表するリーダーを目指すのですから、ぜひ政策論を中心にしたフェアプレイで臨んでいただきたい。

さてその上で、お名前連呼の候補予定者の政策に耳を傾けてみたいと思います。

地元の地域情報誌によると、その候補予定者の主たる主張は、「借金を抱える市の財政を健全化し、災害死ゼロを目指したまちづくりに注力する」ことなのだそうです。

うん、「災害死ゼロ」は、ぜひそうしてほしい。

でも、 お約束の「シャッキンがぁ~Z」ですね。

借金がダメだ、と言ったら災害死ゼロは達成できません。

これは今後の川崎市政にとって極めて重要な、いや日本国にとっても極めて重要な点ですので改めて申し上げます。

借金そのものを悪とする“家計簿ポリティクス”は、まちがいです。

というか、もはや「家計簿」ですらなく、評論家の三橋貴明先生の言うところの“子供のお小遣い帳”レベルの発想ですね。

その三橋先生が物凄く解り易い解説をして下さっています。

行財政や企業会計には存在し、“子供のお小遣い帳”には絶対に存在しない概念がある…と。

さて、その概念とは何でしょう?

投資(減価償却)という概念です。

企業が長期にわたって使用する資産については、購入費(投資費用)を単年では計上しません。

長期にわたって償却していくことになります。

なぜなら、その投資費用によって「所得を稼ぐ」という便益が長期にわたってもたらされるからです。

例えば、売り上げが3億円しかない企業が、10億円の投資をしてもいいわけです。

銀行から10億円を借りて設備投資をする。

償却期間を20年とすると、毎年の償却費用は5千万円になりますので、3億円の売上でも十分に利益がでるわけです。

このように企業は、借金をし、投資をし、所得を増やして成長していく、という社会的な役割を担っています。

国や自治体による公共事業(公共投資)も同様です。

例えば、道路や橋や防潮堤など、公共投資によって整備されたインフラは、少なくとも何十年間にわたって国民や市民に対して便益を供します。

ご承知のとおり、公共インフラは赤字国債でなく建設国債という借金で整備されます。

世代間による公平な負担を確保する為に、その年の一般財源だけで整備するようなことはせず、必ず建設国債という長期債で整備されます。

そもそもからして、インフラは借金で整備するものなのです。

即ち「借金がダメ」となると、防災インフラどころか、一切のインフラができないのです。

家計の住宅ローンだって、長期にわたり居住できるという便益を受ける住宅投資の費用ということになります。

よって、家計簿でさえ投資の概念があるわけです。

しかし、子供は消費するのみで投資などしません。

なので、前述の候補予定者の「借金は悪!」思想は、もはや家計簿の発想でもなく、ただの“子供のお小遣い帳”の発想です。

断っておきますが、川崎市が将来的にデフォルト(事実上の財政破綻)する可能性はほぼありません。

そのことは、過日の私の議会質問に本市の財政局長が明確に答えています。

むしろ川崎市は、この10年間にわたり黒字を上げ過ぎていて、民間部門の資金を回収し市内経済にデフレ圧力をかけているほどです。

昨年度などは、293億円の黒字です。(今年は予算ベースで156億の黒字)

何度でも言います。

現在の川崎市政に深刻な財政問題など生じてはいません。

それなのに、まるで今の川崎市政が財政危機であるかのように煽っては財政健全化を叫ぶ。

毎度のパターンですが、たいていの場合、この手合いの人たちは「財政健全化」の定義すら示さない。

どのような状態にったら「財政が健全化している」と言うのでしょうか。

まさか無借金状態ですか?

もしも川崎市が無借金状態になったら、まちがいなく公共インフラはボロボロズタズタの状態になります。

そりゃそうですよね、インフラ投資のための起債ができないのですから。

こうした手合いの共通点は、経済や資本主義というものを真面目に理解しようとせず、たんに抽象的なイメージで発言しているに過ぎません。

どうしても「借金(負債)は悪だ」というのであれば、現金紙幣(日銀券)の存在も否定すべきです。

なぜなら、私たちが平素から使っている現金紙幣(日銀券)は、まさに日銀の負債(借用証書)だからです。(日銀券を保有している人にとっては債権)

負債(借金)を否定したら、経済も資本主義も一切の機能を失うのです。

国政選挙であれ、市長選挙であれ、真面目な議論を期待します。