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議会報告 政治・経済

寛容なる共産主義!?2017/10/05    

麻生財務相はたびたび、企業の内部留保への課税を仄めかしています。

理由は、儲けたカネを企業が人件費や設備投資などの支出に回さず、内部留保として貯めこんでいることが景気低迷(デフレ)の温床になっているから、とされています。

確かに、企業の内部留保(企業が保有する現金と預金)は第二次安倍政権発足以降うなぎのぼりに増えていて、昨年度(2016年度)末の段階で既に255兆円に達しています。

「企業よ、そんなに貯めこむんだったら課税するぞっ! それが嫌だったらカネを使えっ!」というのが麻生財務相のお考えです。

しかし、内部留保が貯まっていることは確かに問題ですが、麻生財務相のお考えは二つの点で間違っています。

まず第一は、内部留保が貯まっているからデフレになっているのではなく、デフレだから内部留保が貯まっているんです。

話しの順序がまったく逆です。

デフレとは需要不足(=供給過多)のことです。

企業が人件費であれ設備投資であれ支出を拡大する時って、どんな時でしょう?

需要が着実に増えていく時(インフレ局面)です。

即ち、デフレが解消されないかぎり、企業は支出を拡大することはできません。

例えば、ホンダは、国内主力工場の一つである狭山工場での生産を止め、同じく埼玉県の寄居工場に集約して、国内の生産能力をなんと2割強も削減することを発表しました。

なぜか?

ホンダの生産戦略は原則として地産地消です。

日本で乗る車は日本で生産し、米国で乗る車は米国で生産する、というものです。

これまで日本国内の生産量は、リーマン・ショック以前(2007年)で129万台もあったのですが、昨年度はついに81万台にまで減ってしまいました。

生産能力を減らさざるをえなくなったわけです。

八郷社長にとっても苦渋の決断であったとご推察します。

このことは、国内の実体経済が明らかにデフレ状態であることの証左です。

要するに、内部留保の話しと同様に、ホンダによる国内生産のダウンサイジングもまた、デフレの要因ではなく結果です。

麻生財務相は企業に支出の拡大を求めていますが、そもそもデフレ期に需要不足の解消を民間部門に委ねること自体がナンセンスで、通貨発行権と徴税権をもつ唯一の経済主体である政府部門こそが歳出(借金)を拡大して需要不足を埋めるほかありません。

なので、むしろデフレの要因は、財務省が緊縮財政(歳出カットと借金返済)に勤しんでいることです。

つまり、デフレの元凶は、麻生財務相…あなたです。

因みに、デフレが継続するかぎり、企業は薄い粗利から支払う人件費をできうるかぎり安く抑えようとします。

よって、非正規雇用や派遣社員もまたデフレ経済の被害者です。

麻生財務相の間違いの第二は、内部留保への課税は私有財産権の侵害そのものであることです。

税金とは本来、フローである所得から徴収すべきであって、ストックである資産(私有財産)から徴収すべきものではありません。

資産というストックに課税するという考え方は、基本的に共産主義です。

因みに、マルクスの共産党宣言には「100%の相続税」が謳われています。

相続税は究極の資産課税です。

昨日(10月4日)、「希望の党」の公約が発表されましたが、2019年10月の消費税増税反対はいいとして、「企業の内部留保への課税で財源を確保」とありました。

おやおや?

このままだと「寛容なる保守」じゃなくて、「寛容なる共産主義」になっちゃうぞ…