〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 川崎市政

行政は黒字をあげるべき存在ではない2017/09/30    

日本銀行は、10月30~31日に開かれる金融政策決定会合で、2017年度の物価見通しを下方修正する見込みのようです。

日本経済新聞の報道によれば、物価上昇率(インフレ率の上昇)が鈍いため、1.1%としている消費者物価(生鮮食品を除く総合)の前年比上昇率を1.0%以下に下げるのだとか。

これまた突っ込みどころ満載なのですが、2017年度の見通しが1.1%であるのも変な話で、そもそも日銀のターゲットは2.0%ではなかったのですか?

2013年に黒田氏が総裁して以降、日本銀行は「2年間で2.0%のインフレ目標をコミットメントし、量的緩和(通貨供給)を継続することで、期待インフレ率を高め、実質金利を引き下げ、設備投資や消費という需要を増やし、デフレ脱却を果たす」としていました。

“コミットメント”とは責任を伴う約束のことですが、結局、2年間で2.0%のインフレ率は達成されませんでした。

にも関らず、日銀の誰一人として責任をとらない。

しかも日銀はインフレ率の定義を、当初は食料(酒類を除く)を除く総合(コアCPI)としていたのですが、それがいつのまにか生鮮食品を除く(酒類は含む)総合に変更してしまいました。

理由はたんに、酒類が含まれたほうが若干高めの数値で推移するからでしょう。

うん、せこいっ!

それでも8月の生鮮食品を除く総合消費者物価は、残念ながら0.7%という体たらくです。

因みに、8月の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合消費者物価、いわゆるコアコアCPIは、ゼロ%でした。

おそらくは、このままいくと2017年の物価上昇率は、下方修正した1.0%をさらに割り込むことになるのではないでしょうか。

上のグラフ(青い線グラフ)を見るかぎり、そうとしか思えません。

これから行われる総選挙の争点にならないのが全くもって不思議なのですが、現状はまさに深刻なデフレ状態なのです。

物価が上昇しないと所得は増えず、所得が増えないと税収も増えません。

何よりも、所得が増えるときには必ず何かしらの付加価値(公共インフラを含むモノやサービス)が生産されていることになりますので、所得の拡大は必ず国民生活を豊かにしていきます。

重要な点は、誰かの所得は必ず誰かの支出(投資・消費)である、という逃れられない原則です。

即ち、誰かが支出(投資・消費)をしないことには、誰かの所得は増えません。

また、資本主義経済とは、誰かが借金をして投資することで、新たな付加価値(所得)を創出するシステムのことです。

なので、誰かが借金をしてくれないと所得は拡大しない、これもまた逃れられない原則です。

ところが、今の日本といえば…

本来、借金をして投資すべき経済主体である企業が資金過剰になっています。

資金過剰ということは、ザックリ言って「借金も投資もしていない」ということです。

しかも顕著なのは、1998年のデフレ突入以前までは不足していたものが、それ以降には過剰に転じていることです。

つまり、企業の投資(借金)意欲を阻んでいるものはデフレなのです。

上のグラフの黒い棒グラフは、一般政府(中央政府及び地方政府)の資金過不足です。

2013年以降、政府が急速に不足を減らしているのがわかります。

即ち、緊縮財政です。

政府の支出も立派な需要なので、政府支出の削減もまたデフレ圧力になります。

昨日の川崎市議会でも指摘しましたが、川崎市はこの10年以上、緊縮財政を断行して毎年莫大な黒字をあげています。

昨年度(2016年度)決算で、なんと293億円です。

今年度(2017年度)でも、予算ベースで156億円の黒字をあげる見込みです。

デフレ期に行政が黒字をあげてしまうと、民間資金を行政が吸い取ってしまうことになりますので、必ずデフレ圧力がかかります。

このようにして地方政府も、中央政府に劣ることなく財政支出を引き締めているのですから、これでデフレを脱却できるはずもありません。

そもそも中央政府にしても、地方政府にしても、行政という経済主体はNPO(非営利法人)のようなものです。

NPOである以上、企業や家計とは違って黒字をあげるべき存在ではあないのです。

なので、通貨発行権を有しない地方政府であっても、せめて財政収支は均衡に抑え、支出を拡大することで市民の所得を増やしていく政策をとるべきです。

今は民需の弱いデフレ期である以上、物価と所得を相乗的に上昇させるための政府支出(公儒)の拡大が必要である、ということです。

何度でも言います。

川崎市が財政破綻(債務不履行)する可能性はほぼゼロ%です。

ましてや、100%自国通貨建てで国債を発行している日本政府に至っては、その可能性は完全にゼロ%です。

ありもしない財政破綻論をでっちあげ、有権者の不安とルサンチマン(鬱屈とした嫉妬)を煽ってはコストカット(歳出削減)を叫んで票を獲得しようとする。

そんな候補者はNo!…だ。