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議会報告 政治・経済

増税による負債返済は二重の愚2017/09/26    

消費税率を5%から8%に引き上げる際、増税推進派は「社会保障の安定化のためには是が非でも消費税増税が必要だ」と頑なに言い張っていました。

少なくとも、消費税の増税に賛成した多くの日本国民はそのように理解していたはずです。

ところが、現実には消費税増税分の多くは負債返済に回されていました。

現に、これまで消費税率は段階的に引き上げられてきましたが、社会保障の柱である「診療報酬」や「介護報酬」は容赦なく減らされ続けています。

社会保障の安定のための消費税増税なるものは、嘘だったのです。

あまつさえ、愚かにも借金の返済に回していたとは…

なぜ愚かなのかというと、現在の我が国を、そして日本国民を、最も苦しめているのはデフレ経済だからです。

デフレとは、貨幣(総需要)が不足する経済現象です。

貨幣の不足は、即ち貨幣の価値を高めますので、人々にとっては「今日の1万円よりも明日の1万円のほうが価値が高い」ということになります。

つまり、おカネは使わずに懐に入れておいたほうが得、逆に使うと損、ということです。

実体経済(国民経済)とは、誰かがつくったモノやサービスを誰かがおカネを払って需要(消費・投資)してくれないと成立しません。

みんながおカネを懐に入れておいたほうが得、ということになりますと実体経済は縮小し、みんなの所得が減り(または増えず)、所得が減ることでまた需要(消費・投資)が減って、さらには税収までもが減っていきます。

これを「デフレ・スパイラル」といいます。

今がまさにその状態で、こんなとき、誰かが借金(負債を拡大)をして使うことが求められます。

なぜなら、貨幣(総需要)は負債が拡大することで増え、負債が返済されることで減るからです。

どうして?…と思われるかもしれませんが、要するに「貨幣は貴金属の代用品ではなく、たんに債務と債権の記録に過ぎないから」です。

貨幣量(総需要)が増えると、おカネの価値が下がりはじめますので、今度はおカネは使ったほうが得、という経済情勢に変わっていきます。

おカネが使われはじめることでデフレ経済が克服されると、人々の所得(名目GDP)が増え、税収が上がり、財政健全化(政府負債対GDP比率の低下)が進んでいきます。

何よりも所得が拡大していきますので、世の人々が求める医療、介護、防災などの国民ニーズが充たされていくことになります。

要するに、デフレ期の負債返済は余計にデフレ化するということです。

その返済財源を消費税の増税で賄っていたというのは、二重に愚かです。

結果、政府の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の赤字は一時的に縮小しましたが、その分、日本経済にはマイナス成長の圧力がかかって、2016年以降、我が国の経済は再びデフレ化しています。

小池都知事が“希望の党”を立ち上げ、代表に就任するとのことです。

若狭何某やら細野何某やらに任せておいても一向に埒があかない、ということなのでしょう。

その“希望の党”の選挙公約に「消費税増税(8%→10%)の凍結」が謳われるのだそうです。

小池都知事はその理由を「経済情勢が芳しくないから…」としています。

ずいぶんと抽象的な表現で、どうして「デフレだから…」と具体的に言えないのでしょうか。

要するに、よく解っていないのでしょうけれど、まぁ、それはそれとして…

デフレを脱却するためには、消費税増税の凍結、もしくは消費税率の引き下げが必要です。

それに加えて、政府負債の返済ではなく拡大が必要なのですが、さすがにそこまでは理解できないでしょうし、仮に理解していたとしても、なかなか今の世情では言い出し辛いでしょう。

なので、とりあえずは「消費税増税の凍結」でいい…

とはいえ、そのうえで「構造改革を断行します」とか言い出しそうで怖い。

“構造改革”はインフレ退治のための政策です。