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議会報告 政治・経済

FRBのバランスシート縮小2017/09/21    

国際政治は「経済」と「軍事(地政学)」で動いています。

むろん良し悪しの問題ではなく、それが確固たる現実です。

なので世界中の人々が、経済と軍事の動向に否が応でも翻弄されざるをえないのです。

であるからこそ、国際政治に影響を与えるほどの国家はいずれも、富国(経済)及び強兵(軍事)政策を推し進めているわけです。

覇権国(米国)によってもたらされてきた国際秩序が揺らぎはじめている中、戦後一貫して「強兵なき富国」に徹してきた我が国が、北朝鮮という軍事的脅威を前にして何ら為す術がないのは周知のとおりです。

いよいよ米国による北朝鮮への軍事制裁が現実味を帯びつつある今、どちらかというと軍事や安全保障といった地政学に目を奪われがちですが、こういう時にこそ「経済面」についてもしっかりと注視しなければならないと思います。

なにせ軍事(地政学)と経済は一体なのです。

米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備理事会)が、10月からバランスシートの縮小に着手することを決めました。

つまり、FRBが保有する資産の一部を売却することで、バランスシートの左側すなわち借方(資産)を縮小し、一方のバランスシートの右側すなわち貸方(負債)をも縮小していくとのことです。

ここでいうFRBが縮小しようとしている負債とは何か?

それは、世に出回っている米ドルです。

米ドルは、FRBが米国債という資産を購入することで発行され、米国債という資産を売却することで回収されるのです。

要するに、FRBが負債を縮小するということは、縮小した分だけ世に出回っている米ドルが減るということです。

日本でもそうですが、中央銀行が発行する貨幣とは、即ち中央銀行の負債なのです。

おカネというものが、金や銀などに裏付けられた「モノ」ではなく、貴金属などの裏付けのない「借用証書(負債)」という単なる紙切れであることの所以です。

FRBが売却しようとしている資産は米国債や住宅ローン担保証券(MBS)で、その規模は約4兆2000億ドルの規模になるとのことです。

ということは、少なくとも4兆2000億ドル分の米ドルが市場からFRBに回収され消滅することになります。

当然、これはデフレ圧力(インフレ抑制圧力)になります。

FRBのイエレン議長は「今年のインフレ率低下は依然として謎だ」としたうえで、「インフレ率を押し下げた要因が持続的なものとなる公算が大きいかどうか見極めることが重要だ」との認識を示していますので、現段階で米国がインフレ率を抑制しなければならないほどの状況にあるとは思えません。

上のグラフのとおり、7月時点のインフレ率は1.7%程度です。

果たして、インフレ率を抑制しなければならないほどの状況でしょうか?

そこで軍事(地政学)の問題が関わってくるのだと思うのです。

もしも北朝鮮との間で戦端が開かれたらどうなるか。

ご承知のとおり、戦争は需要の拡大(インフレ圧力)をもたらします。

戦端が開かれると、いったんは有事の資産である「金」が買われて株価は下がるのでしょうが、やがては需要拡大によるインフレ圧力が加わって、インフレ率も株価も上昇しはじめることでしょう。

現に、2003年3月20日にイラク戦争が勃発して以降の米国の株価(ダウ・ジョーンズ工業平均)をみても、そのような値動きをしています。

因みに日本でも、イラク戦争勃発ともに日経平均株価はいったん下がったのですが、その後すぐに上昇に転じ、同年12月には11,000円近くにまで上昇しています。

要するに、FRBのバランスシート縮小と、米軍による北朝鮮への軍事的措置とは、ともに連動している話しなのではないでしょうか。

つまり、北朝鮮への軍事攻撃の日が近づいているのではないかと…

以上のようなことを考えますと、安倍総理が国連演説で「(北朝鮮に対して)対話は要らない。必要なのは圧力と行動だ」と発言した理由も、この時期に衆議院を解散した理由も、そのすべてが合致します。

むろん、私の見立てに過ぎません。