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議会報告 政治・経済

争点は国民一人ひとりがつくるべき2017/09/19    

いよいよ衆議院の解散・総選挙が近づいているようです。

巷では「大義なき解散!?」のように言われていますが、そもそも衆議院の解散・総選挙なるものは、与党が選挙的に最も有利な状況で行われるものであって、そこにある大義なんて常に“コジツケ大義”であるのが当たり前です。

野党第一党の民進党は、山尾議員及び前原代表のスキャンダルやら離党ドミノやらで政権交代の受け皿どころの話しではなく、場合によってはこの一戦を機に崩壊消滅の危機に曝されており、一方、新党ブームで躍進を目論む“なんちゃらファースト”にしても本格的な決起を図ろうにも時間的猶予なし。

それに北朝鮮危機を前にして、国防政策について自民党よりもまともな主張をしている野党は存在せず、といって、自民党だって従来の戦後体制的見解をくり返すばかりでまともな国防政策はやっていない。

アベノミクスだって、経済政策としてうまくいっているのかどうかも解らない。(実際には全然うまくいっていない)

投票にあたっての判断基準を、いったい何に置けばいいの?…と悩まれる有権者も多いのではないでしょうか。

とはいえ、国政参画に責任をもつ日本国民として何らかの行動を起こさざるをえない以上、各々が自分なりの争点をもつほかはないのだと思います。

国防にせよ、内政にせよ、外政にせよ、私は現在の日本を蝕んでいる最大の問題は「財政収支の均衡主義」だと思います。

公共事業にしても、国防政策にしても、福祉政策にしても、結局はおカネの問題(財政収支は常に均衡しなければならない、という思想)によって為政者の思考が停止しています。

経済情勢には、①インフレギャップ経済②デフレギャップ経済の二種類があるのですが、収支均衡もしくは政府収支の黒字化が正当化されるのは①のインフレギャップ経済のときだけです。

まず、①インフレギャップ経済とは需要過多・供給不足の状態であり、②デフレギャップ経済とは需要不足・供給過多の状態です。

例えば、②のデフレギャップ経済にあるにも関わらず、政府が収支均衡もしくは黒字化を追求してしまうと、余計にデフレ化して税収が不足、結果として赤字国債の発行額が増えていきます。

現在の我が国は、というかこの20年間にわたって我が国は、下のグラフのごときデフレギャップ経済が続いており、直近では少なくとも15兆円から16兆円のデフレギャップがあるといわれています。

この15~16兆円のデフレギャップを埋めることが、現在の日本政府(地方行政を含む)に課せられた大きな役割です。

にも関わらず、安倍政権は需要を刺激するどころか、需要を減退させ余計にデフレギャップを大きくしてしまう消費税増税(8%→10%)を目論んでいます。

下の記事をみると、まことに理解に苦しむのですが、安倍政権は消費税の増税が需要を抑制しないように、増税した消費税の使い方を見直そうとしている、とのことです。

しかも、それを記事にしている日本経済新聞は、そんなことをしたら財政の基礎的収支が悪化すると、これまた懸念を表明しています。

『増税使途変更、基礎的収支さらに悪化も
首相「痛み」緩和優先
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO21246580Z10C17A9NN1000/

安倍晋三首相が2019年10月に予定する消費増税で生まれる税収の使い道を見直すのは、現役世代の家計に配慮して消費拡大につなげる狙いがある。増税は予定通り実施しつつ、アベノミクスの好循環も維持できるとみる。もっとも首相の思惑通りに消費が拡大するかは不透明だ。税収を新たな支出に振り向けると、財政健全化は一段と遠のく。(後略)』

そもそもからして、デフレギャップ経済のなかでは、どんなに財政の健全化を目論んでも、結局は絵に描いた餅に終わってしまうことを政府も日本経済新聞も理解していないのです。

絵に描いた餅どころか、ますます財政を悪化させます。

増税という政策は、需要が過剰化するインフレギャップ経済のときに採用されるべき政策です。

デフレギャップ経済期においては、減税や歳出(借金)の拡大による需要創造政策が必要なのです。

よって、いったんは財政収支の均衡(プライマリー・バランスの黒字化)目標を破棄することでデフレギャップを埋め、その後、GDPと税収を共に拡大することで財政の健全化(政府債務対GDP比率の低下)を進めて行くことが、我が国が採用すべき正しい経済財政政策だと考えます。

残念ながら、我が国の既存政党(なんちゃらファーストを含む)のすべてが、デフレギャップ経済においても、財政収支は常に均衡もしくは黒字化しなければならないと主張しています。

しかし、個々の政治家をみていくと、党派に関わらず「デフレギャップを埋めるための財政赤字の必要性」を強く訴えておられる衆議院議員が何名かおられます。

この際、そうした議員や候補者に投票するほかありません。

もし自分の選挙区にそうした議員や候補者がいないのであれば、有権者として棄権するしかない。

投票しない、即ち「棄権票」もまた立派な投票行動(有権者としての意思表示)だと思います。

…以上は、あくまでも私の投票判断基準です。

正しい情報を入手したうえで自らが考え、各々が争点をつくるべきかと思います。