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議会報告 政治・経済

主権線と利益線をいかにして守るのか2017/09/16    

昨日(9月15日)、山口県の周防大島町から戻ってきました。

このたび、ご対応くださいました周防大島町の皆様、本当にお世話になりました。

心より、感謝御礼申し上げます。

周防大島町は、その美しい風景もさることながら、何と言っても「ヒト」が素晴らしい。

平素、都会の喧騒の中で暮らしている私には、人情味溢れる島民の皆様の温かさがとくに身に沁みます。

気象予報によれば明日あたり、北上する台風18号が周防大島町の真上を通過するとのことです。

どうか無事であられますように、心よりお祈り申し上げます。

さて、今さら驚きませんが、北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射しました。

平壌近郊から発射されたミサイルは、8月29日に発射されたものと同じ中距離弾道ミサイル「火星12」(射程4,500~5,000キロ)だったようです。

日本上空を通る飛行コースもまた前回とほぼ同様だった、と防衛省は分析しています。

核実験、そして度重なる弾道ミサイルの発射、どうみても米国(トランプ大統領)が言うレッドラインを超えています。

もはや、言葉による厳重な抗議や中途半端な経済制裁だけでは、北朝鮮が核弾頭搭載ICBM(大陸間弾道ミサイル)を実戦配備するのを止めることはできないでしょう。

すでに時間の問題になっています。

多くの日本国民が誤解していますが、“日米安全保障条約”は米国が日本を守ってくれるための条約ではありません。

加えて、米国側にはその誤解がないことをも知るべきです。

我が国の主権(国土、国民、歴史、伝統、文化など)を守るのは、あくまでも我が国です。

我が国の自衛隊がそれを守ろうとしたとき、米軍がそれを支援してくれるかもしれない、という程度の条約なのです。

もしも日本の主権(独立)を守るのが米国であったのなら、我が国は完全に米国の属国ということになります。(それでいいじゃん…という日本国民は、今後一切、政治に対して文句を言う権利はありません)

インディペンデンス(独立)は、「ディペンド(依存)しない」という意味なのですから。

ただ、国益には主権線(国土、国民、歴史、伝統、文化などの主権に関る国益)と利益線(海上輸送路、あるいは日本が必要とする資源やエネルギーの供給源などの経済的利益に関る国益)の二つがあって、利益線については日本単独で守ることができません。

なぜなら、多くの場合、利益線は各国との共有財だからです。

そこで、米国が主導する国際秩序(集団安全保障)のなかで、各国が分担してそれを守っていくしかないということになっています。

ここでいう「集団安全保障」とは、「集団的自衛権」のことではありません。

集団的自衛権はあくまでも「権利」の行使であって、集団安全保障はあくまでも「責務」の遂行です。

つまり、集団的自衛権なるものは、他国による急迫不正の攻撃があった場合、集団安全保障(国連軍や多国籍軍や有志連合軍)が機能するまでの間、その国と同盟国が行う権利(自衛権)の行使にすぎないのです。

我が国が国内の基地を米国に提供している目的は、けっして集団的自衛権のためではなく、国連加盟国として“集団安全保障”の責務を果たすためなのです。

国連とは、集団安全保障を目的とした国際機関なのですから。

その集団安全保障を主導してきたのが、第二次世界大戦後に覇権国となった米国です。

米国が主導する集団安全保障が機能してきたからこそ、朝鮮戦争もベトナム戦争も中東戦争もすべて、局地戦、制限戦、代理戦となり、以前のように世界大戦にまで拡大することがなかったわけです。

よって国連及び集団安全保障なるものは、米国が覇権国として君臨し続けることが大前提になります。

ところが、その米国は未だ世界最大の軍事力を有しつつも、イラク戦争とリーマン・ショックによって覇権国として力と意思を失ってしまいました。

即ち、米国が主導する国際秩序(集団安全保障)にどっぷりと浸かり、また米国が我が国の独立を守ってくれるものと勘違いしてきた日本国民には、覇権国なき後の世界をいかにして歩んでいくのかの覚悟と議論が求められています。

我が国は、事実上、核保有国となった北朝鮮、そしてアジアの覇権国を目指し地域大国化するChina、更には一向に領土を返還する気などもなければ、あまつさえ未だ領土的野心を捨ててはいないロシアを前にしています。

そして覇権国として退潮する米国は、やがては世界に展開している米軍を徐々に撤退させることになるでしょう。

こうした中で、我が国の主権戦と利益線をいかにして守っていくのかという意志と議論もなく、北朝鮮による核による恫喝という具体的な脅威を前にして何もできない我が国なのです。