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議会報告 政治・経済

地方の生活を支えるJA(農協)2017/09/15    

昨日(9月14日)は、周防大島町役場および島内の商業施設を視察し、みかん農家の方のお話しを拝聴する機会を頂きました。

このみかん農家の方は個人経営ながらも年間8トンの出荷量を有する農家さんで「この島ほどみかんづくりに適した気候はない」と力強く仰せでした。

栽培方法に工夫を凝らすことで質量ともに凄味のあるみかんを作っておられ、お話しを聞けば聞くほどにその発想は非常にユニークで説得力に溢れています。

その傑作を、その場で一つばかり頂戴しましたが、なるほど美味しかった。

さて、島内の移動はむろん車です。

島内にはコンビニストアは数件ほどで、ほかホームセンターやスーパーマーケットが数件ばかり点在していました。

移動していて、よく目にしたのは、地元のJA(農協)が経営するスーパーやガソリンスタンドです。

都会に住んでいる人々の多くはご存じないかもしれませんが、過疎化が深刻化する地方ではJA(農協)がスーパーマーケットやガソリンスタンドや歯科病院などの地域サービスを担っています。

担いつつも、これらの多くは赤字です。

否、赤字だからこそJA(農協)が担っていると言っていい。

JA(農協)は、商社業務を担う①全農、金融業務を担う②農林中金、保険業務を担う③JA共済など、グループ全体で黒字と赤字を相殺しあって成り立っています。

協同組合の目的は「相互扶助」であって「利益の追求」ではありません。

過疎化や高齢化の進む地方において、地域の生活ニーズを充たすために運営しているガソリンスタンドやスーパーマーケットが赤字でもやっていけるのは、農林中金やJA共済の黒字があるからです。

即ち、利益を追求する株式会社ではない“協同組合”であるからこそ為せるわけで、その意味において、JA(農協)は我が国の食料安全保障及び、地方における生活安全保障を支えている重要なセクターなのです。

ところが、そのJA(農協)を、在日米国商工会議所の要望を受けた我が国の“規制改革推進会議”という総理の諮問機関が、こともあろうに解体しようとしています。

正確には、解体のための布石を着々と打っています。

とりわけ、ターゲットになっているのが全農(全国農業協同組合連合会)です。

過日も規制改革推進会議は、全農の業務を制約するための提言を行っています。
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20161128/agenda.html

例えば「全農は、仕入れ販売契約の当事者にならない。また、全農は、農業者に対し、情報・ノウハウ提供に要する実費のみを請求することとする」など、協同組合とはいえ民間事業者たる全農の商社ビジネスを禁止するという、信じがたい行政介入です。

規制改革推進会議に、そんなことを提言する法的な権限などないのに…

ただ、各方面からの異論が殺到したのか、規制改革推進会議はさすがに「全農は農業者・農協の代理人として共同購入の機能を十分に発揮する。また、全農は、農業者・農協に対し、価格と諸経費を区別して請求する」という表現に改められたようですが…

そもそもなぜ、全農のビジネスに政府がいちいちくちばしを挟んで、しかも国会議員ですらない規制改革推進会議が全農を潰そうとしているのか?

それは、日本の食料安全保障の根幹を担う全農グレイン(全農の100%子会社)を、カーギル(米国ミネソタ州ミネアポリス市近傍のミネトンカに本社を置く穀物メジャーの1つ)に献上するためだ、と言われています。

全農は子会社の全農グレインから、配合飼料の原料となる穀物(トウモロコシ、大豆、こうりゃん、小麦など)を数百万トン輸入しています。

しかも、コスト高になるIPハンドリング(分別生産流通管理)によって。

もしも全農や全農グレインが外資系穀物メジャーの手に落ちると、我が国は最終的に遺伝子組み換え作物の巨大市場と化してしまうことになります。

そのことは、我が国の食料安全保障の根幹を揺るがすことになります。

農業には、ビジネスを目的にした“ビジネス農業”と、国民を植えさせないための“安全保障農業”の二つがあります。

明らかにJA(農協)は後者を担っています。

とはいえ、JA(農協)がビジネス農業の妨げになっている面も確かにあるのでしょう。

であるのなら、しっかりその棲み分けをすればいい。

ビジネス農業のために、安全保障農業を担うJA(農協)を解体するなどありえない話しです。

そうでないと、周防大島町の町民(島民)の生活を支えているJA(農協)によるガソリンスタンドやスーパーマーケットなど各種の地域サービスは消滅し、地方が更に過疎化していきます。

集落や人口の地方分散の充実が求められる自然災害大国・日本において、決してそのようなことがあってはならないのです。