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議会報告 政治・経済

インフラは一日にして成らず2017/09/14    

昨日(9月13日)の午後から、山口県の周防大島町(すおうおおしまちょう)に来ています。

山口県東南部に位置するこの町は、瀬戸内海に浮かぶ30ほどの属島と138.2㎞ほどの面積をもち一町で大島を形成しています。

大島の中心島である屋代島は、瀬戸内海に浮かぶ島としては3番目の面積を有する島で、この島と本土とは瀬戸内海を渡る大島大橋によって連結しています。

屋代島と本土を結んでいるこの唯一の橋は、佐藤栄作(元総理)の肝煎りによって架けられました。

例のごとく財務省(当時は大蔵省)は「そんなところに橋を架けるカネなどない」と言って建設費用(予算)を渋っていたそうです。

要するに「プライマリー・バランスがぁ~」とか「国の借金がぁ~」とかみたいな話しで、その点、今と何ら変わらなかったのですね。

そこで佐藤栄作先生は「(この橋を)いずれ架けることになるであろう瀬戸大橋の布石(試験的共用)にしようじゃないか」と言って大蔵省を説得したそうです。

そのお陰で私はフェリーに乗ることもなく泳ぐこともなく、難なく本土からこの島に渡ることができました。

インフラという社会資本の力です。

佐藤栄作先生の決断で架けられた橋というインフラが、現代を生きる私の移動手段として今もなお機能しているわけです。

国際的な統計基準ではおカネは国富にカウントされず、主としてインフラという固定資産が国富としてカウントされているその理由がよく解ります。(おカネとしてカウントされるのは対外純資産だけ)

上のグラフは、我が国の国富です。

生産資産とは、道路、橋、港湾施設、公園、上下水道などの公共インフラのことです。

また、有形非生産資産とは、漁場、地下資源、土地のことで、いわばヒトによって作られたものではない天然資源のことです。

もう一つの対外純資産は、日本が海外に保有している金融資産から、海外が日本に保有している金融資産を差しい引いたもので、唯一国富としてカウントされるおカネです。

とはいえ、対外純資産を蓄えることができるのも、インフラを基盤として行われる経済活動の結果です。

私たちが普段何気なく利用している道路や橋や上下水道は、かつての日本人が投資(公共投資)してくれた生産資産なのです。

よって、「国富」と言った場合、何と言っても人の手によって作られた生産資産(インフラという固定資産)こそが主たる富です。

その主たる国富である我が国の生産資産が、上のグラフのとおり減少しているのがよく判ります。

かつて、道路というインフラによって覇権国に至ったローマ帝国。

ローマは一日にして成らず、の言葉どおり、インフラは一日にして成らず、です。

なので国家や行政は弛まない投資(インフラ整備)を怠ってはならないのですが、「そんなことよりもおカネのほうが大事ぃ~」というご仁が世に蔓延って衰退しはじめているのが現在の我が国です。

さて、どうして私がこの島に来たのかと申しますと…

この島は海岸部に狭隘な丘陵地が広がる程度で大半を山地が占めていながらも、年間平均気温15.5℃と比較的温暖な、青く澄みわたった瀬戸内の海と四季の彩り豊かな美しい自然を有するところです。

ところが近年、島の人口減少に歯止めのかからない深刻な状況が続いているそうです。

現在の町内(島内)人口は17,199人なのですが、2010(平成22)年と比べると既に1,885人(9.9%)の減少で、山口県内では減少率が2番目に高い町となっているのだそうです。

そうした危機に直面した町に、この町をもっと発展させて人口減少に歯止めをかけよう、と立ち上がった地元有志の皆さんがおられます。

その中のお一人が私の恩師です。

その恩師から「ぜひ、この島のために力を貸してくれ」というお言葉を頂戴し、馳せ参じた次第です。

昨夜は「経済とは…」「豊かさとは…」「おカネとは…」について、講演させて頂きました。